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2004/5/9 
高血圧の治験「HORAI-E±2004Z」(正式名称:ホーライ、いい加減にせーよ、おつ)は200例の目標に対して最終的に230例が登録された。
予定通りの登録終了だった。

6月にキーオープン予定だが、最後に登録された患者さんの最終観察日が4月30日。
現在180例のCRFが固定された。

今後の予定は・・・・・・

・残り50例のCRFを5月21日(金曜日)までに固定する
・症例の取り扱いは6月4日(虫歯予防デー)までに決定する
・データベースの固定は6月18日(金曜日)までにやる
・キーオープンは6月25日(金曜日)

残り50例分の固定締め切りまで2週間とせまった。

ぽちりん、デーさん、ふじおねえの3人もフル回転だ
データの入力はダブルエントリー(二人が同じCRFを別々に入力する)。

現在までにエントリーした180人分のデータとCRFのチェックは、人数が不足分は超ヒマなデーモン部長を借出し、さらに、それでも足りないので、アルバイトを頼んでやっている。

肉体も目も疲れるので、1時間に1回は10分間の休憩を入れる。

1例のCRFにつき、入力するデータ数は平均して、「患者背景」で10項目。
治験期間は6ヶ月で、この間は1ヶ月に1回来院してもらい、血圧等の検査を行う。
1回の来院で入力するデータは平均して8項目だから、6ヶ月だと8×6=48項目。
その他、有害事象、併用薬などが平均して5項目。
つまり、一人の患者さんで入力するデータの数は、平均して60個。

現在までに入力された180人分のデータ数は大体10,800個。
この数のデータを読みあわせでチェックする。

これでも、昔から比べたら随分と楽になった。

日々の血圧は患者さんが自宅で測定し、そのままデータが電子的に、こちらに送られてくるので、それは入力も目視チェックも不要だ。
さらに臨床検査値も、検査センターからの電子データをそのまま使う。

この間にもDCFは発行される。
さらに、残り50例分も待ち構えている。
トータルすると15,000個以上のデータ数になる。


デーモン部長「そろそろ、老眼の眼鏡を買うとするかな。。。。」

デーさん「部長、ついでにドライアイ用の目薬も百個ほど買ってきてください。」

デーモン部長「え! そんな冷たいモン、目に入れるの」

デーさん「・・・・・・おい、誰か、突っ込んでやれよ。」

ぽちりん、ふじおねえ 「そんなヒマが有ったら、チェック!」

デーさん「あらら、じゃ、僕が相手をするか。 部長、ドライアイスじゃなくて、ドライアイです。乾いた目です。」

デーモン部長「おおおー!そんなのがあるのか」

デーさん「なんだか知らないが、癒される。。。」


(今週は、どうやら「問題症例抽出」までの悲喜こもごもが話題のようだ。)
2004/5/10
アルバイトAさん「ビジット1の上145、下97、ビジット2の上130、下95、ビジット3の上133、下92・・・・・・」

デーモン部長「よし。ここで休憩しよう。次は僕が生データ(CRFのコピー)を読むから、きみは打ち出しのほうをチェックして。10分休憩しよう。」

アルバイトAさん「はい、分かりました。」

アルバイトAさん、部屋を出て行く。)


ぽちりん「部長、調子どうですか?」

デーモン部長「ああ、問題ないよ。たいしたもんだ。」

ふじおねえ「今日はどれ位できそうですか?」

デーモン部長「午前中で10人分終わったから、午後は20人分位、いくかな。」

デーさん「じゃ、1日30人ペースですね。」

デーモン部長「だな。予定とおりだろ? 今日なんかさ、俺、本当は午後はふんちゃら大学の先生のところへ、さらさんと行く予定だったけれど、『部長は、読み合わせの大切な仕事があるでしょうから、私一人で大丈夫です』なんて、フラレチャッタし。」

ぽちりん「ええ。ありがとうございます。」

デーモン部長「だけど、なんだな。この読みあわせをやっていると、良くないね。」

ふじおねえ「何にですか? 目に?」

デーモン部長「う〜〜ん、なんちゅうんだろう・・・・・・。たとえばさ、有害事象なんかの読みあわせをしていると、つい、その患者さんのことが思い浮かぶんだよな。」

デーさん「そうですね。重篤な場合なんかは、特にですね。」

デーモン部長「だろ? そうなると、読み合わせのペースが落ちるから、その時はただ無機質的に言葉を読むわけだ。『腹痛、高度、処置アリ』とかね。」

デーさん「仕方ないですよ。でも、僕たちは決して、文字やデータだけを処理しているという気持ちは起こしていませんよ。」

デーモン部長「もちろんな。そりゃ、俺も思いを馳せるよ。強度の下痢なんてのは、俺も年に一度位あるが、そうりゃもう。。。。」

デーさん「苦しいですよね・・・・・・。」

デーモン部長「ああ、もう死ぬんじゃないかと思うくらいだ。」

ふじおねえ「まぁ、だからこそ、そんな思いをされた患者さんのデータの入力でミスがないように、こうして読み合わせをやっているわけでもあるんですよね。」

デーモン部長「そういうこったな。強度の下痢に比べたら、一日の読み合わせなんて楽勝だよ。」

ぽちりん「頼もしいな。。。じゃ、明日もお願いします。」

デーモン部長「あら? あら〜〜〜〜?! 明日?! 明日も?!

ぽちりん「はい、よろしく〜〜〜。」


(三人が出て行ったあと)

アルバイトAさん「部長、ジュース買って来ましたけれど、飲みますか?」

デーモン部長「うん、ありがとう。。。」

デーモン部長の明日は長い。
2004/5/11
今日は、よっきゅんブライアン成田が、二人でSDVにやってきた。

よっきゅん「ここは8症例だから、4人ずつに分けていきましょう。」

ブライアン成田「ラジャー」

黙々とチェックを始める二人。

ブライアン成田「あ! 無い!!」

よっきゅん「ん? 何が無いの?」

ブライアン成田同意書が無い・・・・・・。」

よっきゅん「え? 何番の人?」

ブライアン成田「789−321番さん」

よっきゅん「ちょっとまって・・・・・・。パームで記録見るから。・・・・・・有ったわ。私が登録時のSDVをやった時は、確か必須文書ファイルに挟んであったけれど。え〜〜と、去年の10月2日のあたり。」

ブライアン成田「ですよね。 その日付のところにカルテには確かに『ic取得』と、同意を取ったと書いてあるんですが、モノが無いんですよ。」

よっきゅん「変ね。・・・・・・カルテの前のほうのフォルダにも無い?」

ブライアン成田「ええ。無いんですよ。」

よっきゅん「ちょっと、CRCのふにゃららさんに聞いてくるわ」

・・・・・・

よっきゅん「あのね。去年末に、この病院、電子カルテの導入をしたのよ。その時に、過去のデータも入力するために、外部の業者に依頼したらしいの。ひょっとしたら、その時に紛失したかもしれないって。CRCのふふうふさんも、今、他のカルテやファイルに紛れ込んでないか、探してもらっているわ。」

ブライアン成田「もし、無かったら、どうします?」

よっきゅん「・・・・・・カルテには確かに取得したと書いてあるし、私のモニタリング報告書にも書いてあるから、有ったことは間違いないのよ。最悪の場合は、患者さんに控えが行っているので、そちらのほうをもう一度、もってきてもらい、コピーしてもらうようドクターに頼むわ。あとは・・・・・・確か、ここは同意書のコピーを治験事務局にも提出しているから、それがあるかどうか確認しましょう。」

ブライアン成田「やれるだけのことは、やりましょう。」

よっきゅん「ええ。同意書が無いのは致命的だからね。」
2004/5/12
結局、同意書の原本は無かった。

しかし、治験事務局にコピーを出してあったので、その写しをもらい、必須文書ファイルに保存してもらうようCRCの方にお願いした。

この間、よっきゅんブライアン成田の二人はお昼の食事も取らずにSDVを続けていた。

よっきゅん「あ!4時になるわね。ちょっと薬剤部に行ってくるわ。最後の患者さんの残薬を回収してくるわね。」

・・・・・・

薬剤部「はい、お待ちしておりました。」

よっきゅん「どうも、いつもお世話になっております。567−999番の薬剤の回収に参りました。」

薬剤部「はい、これですね。確認してください。」


よっきゅんはあらかじめCRFから計算した残薬の数と、実際に残っている治験薬の数を確認した。
また、それが病院の「治験薬管理表」とも合っていることも確認し、コピーを貰った。

よっきゅん「それでは、中味を確認しましたので、シールで封印して、先生のサインか判子で割印してください。」

・・・・・・

薬剤部「これでいいですか?」

よっきゅん「はい、結構です。ありがとうございました。」

・・・・・・

薬剤部から戻りながらよっきゅんは、昔、友人から聞いた話を思い出していた。

ある製薬会社のモニターが薬剤を回収する際に、シールで封印したが、そのシールの上だけに先生の捺印を貰ったというのだ。
それでは、割印になっておらず、もしも、開封したとしても開封したかどうか分からない。
ただ言われたことを、その意味も考えずに「作業」するモニターというのもいるんだと、その話を聞いた時に、よっきゅんは驚いたものだ。

よっきゅん「薬剤の回収も終わったわ。そっちはどう?」

ブライアン成田「あと1例です。」

よっきゅん「じゃ、予定の最終の新幹線には乗れるわね。」

ブライアン成田「これ以上、問題が見つからなければですね。」

よっきゅん「そういうこと。 さ、やりましょう。」


二人がSDVをやっている部屋の外は、日が暮れようとしていた。

珍しく綺麗な夕焼けにも気づかずに、二人は黙々とチェックを続けた。
2004/5/13
ハレ〜「どう、問題症例の抽出のほうは?」

ピクミン「あらかじめ決められていた基準にそって抽出したのは、これだけ。」

ハレ〜「20例前後か。その中で、完全に除外されるのが・・・・・・クライテリアの逸脱で1例、併用禁止薬の使用で1例か。」

ぽちりん「想定外の事例もいくつかあるのよ。」

ハレ〜「どんなの?」

ピクミン「例えば、プロトコールでは毎日朝晩1錠ずつ飲むことになっているでしょ? ところが、この人は何故か、一日おきにしか飲んでないんだよね。」

ハレ〜「あれ? で、最後までそのままいったの?」

プリンセス・オーロラ「そうなのよ。モニターも医師も患者さんの言うことを信じていたし、患者日誌にもそう書いてあったの。ところが、最後の最後に、実は・・・ということで、余った治験薬を持ってきて、医師も初めて分かったの。」

ハレ〜「あらら。。。どうするの?」

ぽちりん「服薬率から言ったらさ、50%なのよね。最初の取り決めでは『服薬率が70%未満は有効性のデータは採用しない』とあるから、安全性のデータだけ採用ということになるのよね・・・・・・。」

ピクミン「でもさ、これだけ規則正しく服用されていると、単純にそれで切っていいのか考えるよ。」

ハレ〜「規則は規則さ。止むを得ないよ。」

ぽちりん「分かっているの。でもね、なんだかね、と思って。・・・・・・もし、これで効果が出たら、一日おきの服用でもいいということになるし。」

ハレ〜「一日おきって、コンプライアンスが悪くなりそうじゃない?」

ピクミン「それもそうなんだ。でも、一日一回でもいいかも。」

ハレ〜「う〜〜ん。PDをもう一度検討する価値があるかもしれないってことかな?」

プリンセス・オーロラ「かもしれない。でも、まぁ、それは今後のことで、とにかく、今回は規定通りにやるしかないけれどね。」

ハレ〜「うん。薬ひとつとっても、改良に終り無しということだ。」


ぽちりん「ところで、デーモン部長の『自己宣言:おやじ改良計画』は、どうなったかしら?」

ピクミン「え〜〜〜と、日報によると・・・・・・継続率30%ってとこかな。」

ぽちりん「脱落例とします。」

ハレ〜「不採用だ。」

プリンセス・オーロラ「ですね。」


デーモン部長の明日は長い
(今週は、どうやら「問題症例抽出」までの悲喜こもごもが話題のようだった。)
2004/5/16
ヨネヤマ「・・・・・・ということで、マラリア原虫由来の「免疫抑制剤」(開発コード)「HORAI-SAS10804」については、製造ラインも確保できたし、分析方法も確立した。」

JOYママ「製造のSOPも分析のSOPも準備OKということね?」

るみ子の酒「バリデーションも終了したし、分析手順書も完成したわ。」

十条「製造業務手順書も品質管理基準書も完成。」

ヨネヤマ「これで治験薬GMPをクリアしたというわけだ。」

ちゃちゃ「安定性試験はどうだ?」

十条「長期試験と加速試験を開始したところ。」

るみ子の酒「保存温度は0度から4度で、今のところ半年は大丈夫。」

ちゃちゃ「モノは凍結乾燥で粉末状態。生理食塩水で用時調整だ。」

ハレ〜「と、言うことで、みんな、今週は治験のプロトコールの作成ということでよろしく!」
2004/5/17
るみ子の酒「・・・・・・マラリア原虫由来の「免疫抑制剤」(開発コード)「HORAI-SAS10804」についての非臨床試験の成績は以上のとおりよ。」

さら「いつもの通り、単回投与→連続投与の順でいいのよね。」

ハレ〜「もちろん。」

スナフキン「で、最初の最低投与量はどれ位で、最高投与量はどこまでいきそう?」

るみ子の酒「非臨床の結果から想定できるのは、最初は1日10mgからね。効果が期待できそうな最低用量は1日30mg位から。最高は・・・・・・計算によると安全域では80mg位となるわ。」(このあたりの詳細は臨床薬理の専門家にお聞きください。)

メタルナイト「すると、10mgから20、30、50、80mgという瀬踏みで上げていく設定?」

ふじおねえ「ええ、そう。今回の開発薬は免疫抑制なので、そのあたりの安全性を確認しながらステップアップしていく方法で考えているの。」

さら「1doseあたりは5人で、安全性が確認できたら、次のステップへということね。」

ふじおねえ「そう。だから、単回投与試験では、5人×5doseで25人の方に投与することになるの。」

ハレ〜「今回は特に注意することってある?」

ちゃちゃ「結核と日和見感染だ。」

さら「あぁ、免疫抑制だものね。つい、先日も大学生の間で、結核の集団感染が報じられていたから、そのあたりは十分に注意しないといけないわね。」

るみ子の酒「ええ。だから、ツベルクリン反応で調べて、結核の抗体が無い人と結核の疑いの有る人を外さないとね。」

MT「10mgで5人の方に1回だけ投与して、その後は何日位、安全性を見るの?」

るみ子の酒「人間での半減期が2週間位だと予想されるので、臨床では隔週の投与になると思うのよ。だから投与したら、その倍の4週間は見たほうがいいと思うわ。」

さら「で、4週間たって安全性が確認できたら、次の30mgのグループへ進むというところね。」

ハレ〜「そうなるね」

MT「次のステップへ進むかどうかの判断基準は?」
2004/5/18
MT「次のステップへ進むかどうかの判断基準は?」

ちゃちゃ「5人中、ひとりでも結核か日和見感染が出たら、そこで中止だな。」

メタルナイト「そうか。。。ちょっと厳しいような気もするけれど・・・・・・それが妥当かな。」

さら「連続投与の場合は、何回投与で、何週間フォローアップするの?」

るみ子の酒「連投は、4回を予定しているの。で、フォローアップはやっぱり4週間。dose up の基準は単回と一緒。」

メタルナイト「って、ことは・・・・・・1doseだけでも3ヶ月の治験になるわけだ。」

るみ子の酒「ええ、そう。だから、Phase-Iは、治験期間だけでも、最大で単回投与が5ヶ月、連投が18ヶ月。合計で23ヶ月。約2年ね。」

さら「了解! 腰を据えてやらないとね。」

ふじおねえ「CDP(Clinical Development Plan:開発プラン)は、誰が書くの?」

金ネックレス付き大黒「それは、わしのほうでやるぞ。」

フロリス「わ〜お! 俳句同様、豪胆なCDPを作ってくださいね。」

金ネックレス付き大黒「当然じゃて。 ただし、CDPは季語無しで、非定型じゃけんの。」

フロリスな〜〜〜んだ。 つまんないの。」
2004/5/19
みっちーK「CDPでいくと、と言うか、この免疫抑制剤の最初のターゲットは何にするの?」

るみ子の酒「まず、当社で経験のあるリウマチがいいと思うわ。非臨床試験の結果からもリウマチだと思う。」

ちゃちゃ「その後、どうなるのかは今後のさらなる非臨床試験から考えたい。」

かずさ2号「臓器移植、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患関係などなどだね。」

ちゃちゃ「もちろん、それらの全てに効くかどうかは分からない。」

メタルナイト「そりゃそうだ。 効いても副作用が強すぎるということもあるしね。」

ハレ〜「じゃ、とにかく最初はリウマチで行く。で、CDPは大黒のおじさんが作成する、でいいね。」

くも「ざっと、予想して、申請はいつ頃になるんだろう?」

金ネックレス付き大黒「Phase-Iで2年、Phase-IIa,bで・・・で同じく2年位かな、Phase-IIIで最低でも1年だから、今から早くても5年後の申請。いろいろあると予想して、5から7年後の間だな。」

くりこ「なるほどね。今、誕生した赤ちゃんが幼稚園から小学校にあがるころになるわけね。」

プリンセス・オーロラ「はい、はい。いつものことよ。」

BECK「で、最初のプロトコールの原案は誰が、いつまでに作るんすか?」

それ行けドンドン「僕と大黒さんとで、来月末までに作成し、再来月の社内IRBにかける予定。」

秘密研究員「施設の選定は?」

スナフキン「もう、いくつかは打診をしているよ。今はさ、どこもいっぱいでなかなかいい所がないんだ。」

ルパン三世「治験開始の予定は?」

さら「再来月の社内IRBを通して、治験届を出して、1ヶ月待って、病院のIRBにかけて・・・・・・4ヵ月後だから、今年の10月から11月にスタートしたいわね。」

みっちーK「年末から年始にかけて、忙しくなりそうね。」

それ行けドンドン「新薬の開発は、季節とは関係ないからね。 あ、でも、インフルエンザとか、花粉症ならあるかな」

フロリス「季語ほど、密接じゃないわね。 ところで、予算は?」

社長秘書「今、社長が金策でかけずりまわってま〜〜〜す。」

ルーシー「そうそう、我が家の“さぼさぼ”を糠漬けにしている暇があったら、南京玉すだれで、稼いできてくださいね!」
2004/5/22
ピクミン「で、第一相臨床試験(フェーズ1)、少数患者に投与する第二相試験(フェーズ2)、多数患者が対象の第三相試験(フェーズ3)のトータルで、ざっと今はいくら位かかるかな?」

ルーシー「う〜〜〜ん、ケースバイケースだけど、安くても200億〜300億円で、場合によっては1000億円前後と思って間違いないわね。」

フロリス「南京玉すだれだけでは、何年かかるか分からないわね。」

ルーシー「だわね。」

震電「でも、絶対に削れない予算だよ。どれだけ、新薬のパイプラインが揃っているかが、その会社の運命、つまり、僕たちの運命だからさ。」

ドンドン「パイプラインの充実度はそのまま製薬会社の競争力だからね。 製薬各社の生命線だよ。世界で1000億円以上売る『ブロックバスター』と呼ばれる薬を数多くそろえようとさ、今や、各社は研究開発にしのぎを削ってるしさ、そもそも、M&A(企業の合併・買収)をする場合も、両社のパイプラインが相互補完の関係にあるかどうかが重要な決め手になるくらいだ。」

秘密研究員「そうだよ。 うちも社長が頼りないから、どこかに吸収されないように頑張らねば!」(すんません by ホーライ)

kaizer11「じゃ、プロトコール検討委員会を今月中にやっちゃおうよ。 よさそうな薬だから、患者さんのために1日でも早く、治験をスタートしようぜ。 それに、社内のITシステムを補強するためにもさ、稼いでもらわないと。」

ぷか「そうよ。1日でも早く仕事をすることが、コスト削減にも繋がるしね。」

ルーシー「う、う、う、シャチョーに聞かせてあげたいわ。」 (・・・・・・聞いてます。by ホーライ)

ドンドン「OK!プロトコールのドラフトをプロトコール委員会の1週間前に、委員のみんなに送るから、十分検討してから、委員会に臨んでくれ。」

くりこ「じゃ、来週は、プロトコール委員会の様子がテーマになりそうね。」

ルパン三世「あら?ところで、我が社のプロトコール委員会って、誰よ?」

ホーライ「・・・・・・はい。この週末に決めておきます。」
2004/5/23
社長秘書「じゃ、これから、マラリア原虫由来の「免疫抑制剤」(開発コード)「HORAI-SAS10804」の「第1相臨床試験 (単回投与)」のプロトコール検討委員会を始めるわね。 ドンドンさんから、どうぞ。」

ドンドン「先週、みなさんに配ったプロトコールの原案、どう? 今回は特に安全性への配慮に注意して作成しました。」

MT「よく出来ていると思うわ。ただ、ちょっと、ひっかかるのは安全性の注意点で、特に結核、日和見感染をあげているけれど、これだけでいいかしら? 癌は注意しなくてもいいの?」

ちゃちゃ「非臨床の結果では、発癌性は否定できる。ただし、微小癌が有った場合、それの増大を助長する可能性は否定できないな。非臨床では否定できそうだが、今回は初めてのヒトへの投与だから慎重にしたほうがいい。」

秘密研究員「各種、腫瘍マーカーの検査もしたほうがいいと思う。」

ドンドン「了解。それを、スクリーニング時と、フォローアップの最後で行うことで、どう?」

MT「そうね。頻度的には、それで十分だと思うわ。もし、マーカーが上昇したら、慎重に観察し、必要に応じた検査、MRIやレ線、エコーなんかを実施するということよね。」

ドンドン「もちろん。そのような事態が発生したら、対応します。」

カッコ亀井「あと、各投与量から次の投与量へアップする時の判断基準だけどさ、投与終了の4週間後に見るのは、一般的な検査プラス結核と日和見感染、それに、今、追加された腫瘍マーカーになると思うけれど、抗体の発生も見なくていい?」

ドンドン「う〜〜ん、なるほどね。マラリア原虫由来の低分子タンパクだからね。追加する必要性はあるかな?」

ブライアン成田「Phase-2以降は、長期投与が予想されるからね。有ったほうがいいと思うな。」

ちゃちゃ「非臨床では、抗体の発生は見られなかったけれど、これもさっきと同じで、見ておいたほうがいい。」

ドンドン「了解。これも、最後の観察に追加しておきます。ほかには?」

みっちーK「マラリアの発症、そのものは完全に否定できるのよね?」

ちゃちゃ「それは、非臨床から、完全否定できる。 製造方法もマラリア原虫そのものを使わずに、組替えタンパク製造後による化学修飾なので、心配無し。」

プリンセス・オーロラ「うん? ちょっとまって! ね〜、この製法の最初はセルバンクの培養があるわよね?」

十条「うん、一番最初のほうだ。」

プリンセス・オーロラ「培地に牛血清は使わないわよね? BSEの問題があるから。」

十条「もちろん、大丈夫。BSE発生の時から、別の培地を検討していたからね。」

プリンセス・オーロラ「了解。」

ドンドン「他には?」

さら「万が一の時の補償はどうなっているのかしら?」
2004/5/24
さら「万が一の時の補償はどうなっているのかしら?」

社長秘書「補償は、Phase-1の健康成人の場合は、当社では労災と同じ基準になるの。」

プリンセス・オーロラ「じゃ、職業を持った人がボランティアになって、万が一、何かが有ったら休業補償も出るのね?」

社長秘書「ええ、そうなるわ。 医療費はもちろん、全額、こちらが負担することになるのよ。 もちろん、施設側に落ち度がある場合は、施設側の賠償になるけれどね。」

みっちーK「そのあたりのことは、同意書を見たけれど、無かったわよ。どこかに書いてあるのかしら?」

ドンドン「同意書にはあるのは、補償制度の概略だけ。あとの細かい手続きや補償金の金額なんかについては別の用紙に書いてあって、そちらにもサインを貰うことになっているよ。」

ふじおねえ「それも、治験参加の同意書と一緒にしたらどうかしら?ボランティアの方もサインが二度手間になるし。」

ドンドン「そうだね。。。ちょっと分厚くなるけど、見やすくなるように工夫してみるよ。」

MT「いつものように、HIVとか肝炎の事前検査もやることは、同意説明文書にあるのよね?」

ドンドン「そう、あるよ。 HIVが陽性だった場合、通知して欲しいかどうかも含めて。」

秘密研究員「もし、癌細胞が有った場合は増大を助長する可能性もあることを明記したほうがいいな。」

さら「うん。以前、『医薬品ができるまで』のアンケートに「治験薬」については、とにかく全てを教えて欲しいという答えた人が圧倒的に多かったものね。」

ドンドン「了解。全てを説明するよ。 ただ、医学的専門用語が多くなりそうだ。」

ふじおねえ「それこそ、それは別添で解説を作るなり、治験責任医師に説明してもらったら? 治験責任医師に説明してもらう時に使う解説書も作りましょうよ。」

ピクミン「お、いいね。 そう言えば、最近、そんな本が売られているのを見たよ。」

カッコ亀井「施設の選定はどんな感じ?」
2004/5/24
カッコ亀井「施設の選定はどんな感じ?」

大黒「今回は特に免疫関係に強い先生がいるところに絞っているんじゃ。それと、万が一のこともあるので、大学病院クラスの緊急治療ができる病院と契約を結んでいるところを探しているところじゃ。」

みっちーK「医学専門家は、そのPhase-1施設の治験責任医師にするの?」

大黒「うんにゃ。別の免疫関係の専門医師にお願いする予定じゃ。 GCPでも、どちらかというと医学専門家は治験依頼者側に近い位置付なんだと思うじゃ。 治験責任医師と医学専門家を兼ねるのは不適切じゃろうて。」

ドンドン「このプロトコール検討委員会が終り、ドラフトがある程度固まったら、医学専門家の先生に検討を依頼する予定になっているよ。」

プリンセス・オーロラ「で、またこの委員会にかける?」

ドンドン「プロトコールが大きく変わるようならね。」

みっちーK「で、医学専門家と協議してドラフトがフィックスした段階で、社内IRBにかけるのね?」

カッコ亀井「じゃ、来月の末までにドラフト完成を目指そうよ。当初の予定より1ヶ月早くいけそうだ。」

みっちーK「CDPのほうはどう?」


・・・・・・その頃、デーモン山田部長は、来週から始まる予定の「CRAと臨床試験のあり方を考える会議」で講演してくれそうな先生や、製薬会社の社員をあたっていた。

(以下、新潟弁でお送りする、治験責任医師との会話。 意味不明の場合は、お近くの新潟県出身者の方に訳してもらってください。 あるいは→「新潟の方言」 「和島の言葉」 ・・・げ〜〜〜!! 和島村って、僕が生まれた村だよん♪ 良寛さんと貞心尼が「愛があれば、年の差なんて」と燃えた村だてばね。)


デーモン山田部長「いや〜〜先生、なじらね?」

越後影浦子先生「あら〜〜、デーモンさんだかね。どーしたね。まぁ、じょんのびにしていけさ。」

デーモン山田部長「じつはね、先生。こんどぉ、おらんちの会社で『CRAと臨床試験のあり方を考えねば、だめらてば会議』というのが、あるんだてば。」

越後影浦子先生「あ〜〜ら、そ〜〜いんだ。」

デーモン山田部長「だ〜すけさ、先生に、おらんちの会社で、パネルディスカッションとか講義とか、やってくんねろか、思って、頼みにきたてばね。」

越後影浦子先生「そ〜〜いんだかね。私は予定さえあえばいいろもね。そらけど、しょ〜〜してば。」

デーモン山田部長「来週の月曜日に来てもらて、やってくれると、ありがてーてばね。あとはさ、おらんちのシャチョーが、金曜日まで、話を伸ばしてくれるって言うてるがに。」

越後影浦子先生「おめさん、そりゃ〜ちょうどいいてばね。日曜日に東京で学会があるっけ、そのまんま泊まれば朝からできるてばね。」

デーモン山田部長「いや〜〜、先生、じゃ、そうすっかね。待ってるてばね。」

越後影浦子先生「笹団子でも持っていこかね?」

デーモン山田部長「ありがてぇね。笹団子はうんめえから、ありがて〜ね。じゃ、頼みますてばね。」

越後影浦子先生「はいよ。んじゃ、ざいごもんだども、治験について、よっぱら勉強していくてばね」

デーモン山田部長「じゃ、まんず。」

越後影浦子先生「はい、まんず。」

(なお、当日は同時通訳付きです。)
2004/5/26
みっちーK「CDPのほうはどう?」

大黒「リウマチをターゲットにしたCDPはドラフトができたぞ。」

ふじおねえ「さすがに早いわね」

ピクミン「CDPの検討会はどうする?」

ドンドン「CDPは細かいことまで、がやがややる必要も無いだろうから、イントラに載せておくよ。で、期限を決めて意見をメールで集める。改訂する必要ができたら、改訂版をまたイントラに載せるというのでどう? もし、ややこしい話になったら、会議をやるけれど、できるだけ会議は減らしたいからね。」

秘密研究員「それでいいと思う。会議の必要性って常に考えておかないと、そのうち、一年365日、一日中、会議になってしまうよ。」

大黒「内容は各フェーズごとにマイルストーンを決めて、5年後の2009年の第2クォーターの申請を目指す。それと、各フェーズごとの go or no のdecision point と 各オプションを書いておいたぞ。さらに、予想される治験参加者人数と必要なヘッドカウント、それに大切な予算をまとめておいた。」

ドンドン「了解。じゃ、それでいこう。 他にプロトコールに関しての質問、意見は?」

プリンセス・オーロラ「CRFに直接記載され、かつ原データとするっていうところだけどさ・・・」


・・・・・・その頃、給湯室では・・・・・・

こさめ「ね、ね、来週は『CRAと臨床試験のあり方を考える会議』を、うちでやるらしいわよ。」

くりこ「へ〜〜。で、誰が出るの? 講演者は? パネルディスカッション方式?それともポスターセッション方式?」

こさめ「きっと、シャチョーが週末に考えるでしょ。誰か、飛び込みで発表があると面白いのに。」

JOYママ「このページだけでなく、ゲストブックのほうでも、その話題で盛り上がったら、もっと面白いわよね。」

BECK「そうじゃなかったら、関係ありそうなサイトにガンガン、リンクを張ってもいいっすよね。」

しまうま「うん、ネットのあっちこっちで、そいでもって、リアルのあっちこっちで、盛り上がる話になるといいな。 監査の立場からも何か、発言するよ。」

黒丸「やろう、やろう! 「監査とCRAと臨床試験のあり方を考える会議」にタイトル変えようよ。」
2004/5/27
プリンセス・オーロラ「CRFに直接記載され、かつ原データとするっていうところだけどさ・・・今回はPhase-1でしょ? カルテなんか無いから、ほとんど原データはCRFに書かれると思うけれど、このプロトコールだと、そんなに多くないわね。 どうして?」

ドンドン「うん、そうなんだ。やっぱりさ、医師ってメモっぽくカルテに書くほうがやりやすいと思うんだ。直接CRFに書いてもらうと、あとで訂正とかややこしくなるから、とりあえず、カルテに所見を書いてもらい、そこから、CRFに必要な情報だけを書いてもらうのが、一番、すっきりしていいと思ってね。」

大黒「CRFのコピーをとって、そこに治験責任医師のサインを貰い、原資料とする手もないわけではないがな。」

プリンセス・オーロラ「まぁ、そうね・・・・・・CRFの記載項目以外にも自由に医師に書いてもらう普通のカルテのほうがいいわね。」

ドンドン「ほかには?」

くりこ「採血の回数が、結構、多いけれど、こんなに採血していいの?」

るみ子の酒「これはね、どうも今回の治験薬のPKが非臨床試験の結果から読めないので、回数はちょっと多くしたの。でも、合計では採血量が400mlまでいかないようにしたわ。それで選択基準にも体重50Kg以上という規定を設けたの。」

「体内の活性成分の定量は、研究所のほうでやるのよね?」

るみ子の酒「ええ、そうよ。」

くりこ「検体のサンプルには被験者識別コードを用いて、ボランティアのプライバシーを保護しているという一文を入れておいたほうがよくない?」

ドンドン「うん、そうだね。それは入れておくよ。 あとは? 無いようだね。じゃ、今回の検討結果を踏まえて、改訂します。それを来週中にメンバーでレビューして、再来週には、医学専門家に持っていくということで、いいね?」

全員「了解。意義なし」


------- 来週に備えて -------

「患者さんから見た治験の問題点」

「医療機関側からみた治験」

「東金病院における臨床試験(治験)の紹介」

「名古屋市医師会の治験の現状と展望」

こんなの読んでみてはどうでしょうか?
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