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2004/4/1 |
モニターは普段から、どんなことを気をつければいいのかという話題の続き・・・・・・。 スナフキン「一番注意するのは、逸脱をさせないこと。言うまでもないけれど。そして、それが一番難しいんだけどさ。」 ルパン三世「いろんな治験を受けている医師は特に注意しないとね。他社の治験と間違えたりするから。」 ブライアン成田「特に治験の初期ほど、頻繁にモニタリングするといいよ。ミスって最初ほど多いだろ? そこでミスを見つけたら、再発防止の手立てもできるけれど、治験が結構、進んでから行ってみたら、逸脱だらけということになったら、目もあてられない。」 よっきゅん「そうそう。被験者登録用紙なんて使って登録制にしても、意外と穴があるのよね。」 BECK「SDVの時は何に注意したらいいっすか?」 みっちーK「データの信頼性と被験者の安全性ね。」 かずさ2号「CRFに記載されているデータはどの原資料から由来しているのか、とか、同意のタイミング、他院や他科にかかっていないか、併用薬は出てないか。」 BECK「SDVって、そうそう簡単に受け入れてくれない病院もあるんすよね〜〜。そんな時はどうしたらいいんすっか?」 くりこ「そんなときは、口頭でもいいし、CRCの方に確認してもらうという手も有るわよ」 スナフキン「あとは、問題を発見したあとの対応だね。素早く対応して、それをモニタリング報告書に残す。これ鉄則。」 BECK「やれやれですね。」 ルパン三世「でもさ、それがあって初めて、治験のデータの信頼性や治験が倫理的にやられたかどうかが確認できるわけよ。」 BECK「まぁ、それで給料もらっているわけっすからね。」 デーモン部長「ところで、みんな、ホーライ製薬から給料貰っている?」 全員「いいえ〜〜!」 ホーライ「し!し〜〜〜!!黙っていような〜〜!」 |
2004/4/4 |
がんの遺伝子治療(開発コード)「HORAI-ONC4970」。臨床部門の担当としては、かずさ2号とよっきゅんが担当している。あるベンチャー企業との共同開発。ベンチャー企業で製造したがんの遺伝子治療剤を使い、卵巣ガン、乳がんなどの治験を実施中。現在、前期第II層試験中。 よっきゅん「かずささん、○×がんセンターからの連絡がありました。卵巣ガンについてなんですけど」 かずさ2号「あ〜、あそこは婦人科のブンブン萩本先生に治験をお願いしていたね。」 よっきゅん「そのブンブン先生からで、ある患者さんをHORAI-ONC4970に登録したいというのですが。」 かずさ2号「うん。それで?」 よっきゅん「その卵巣ガンの患者さんですが、卵巣ガンの種類としては『未分化胚細胞腫』らしいんですよ。」 かずさ2号「未分化胚細胞腫か。。。」 よっきゅん「どうします? 登録してもらいますか? お断りしますか?」 かずさ2号「今までに未分化胚細胞腫の卵巣ガンの人って、何人登録されている?」 よっきゅん「二人です。 どちらもPD(癌が進行)で中止されました。」 かずさ2号「そうなんだよな。。。。今までの経緯をみていると、このHORAI-ONC4970は、あまり未分化胚細胞腫の卵巣ガンには効果が無いような気がするんだよな。」 よっきゅん「そこなんです。非臨床試験ではある程度は反応しているみたいですが・・・・・・。」 かずさ2号「で、ブンブン先生は、どう言っている?」 よっきゅん「一回、話しがしたいから、明日の夕方、ちょっと来てくれというんです。」 かずさ2号「そうか。。。どうするかな。」 (注意:架空の話しです。) |
2004/4/5 |
かずさ2号「僕としては、登録してもらわないほうがいいと思うな。」 よっきゅん「でも、その患者さんは、もしこの治験に入れなかったら、あとは『温熱療法』しかないとまで先生も言っていました。」 かずさ2号「卵巣ガンで、未分化胚細胞腫以外の患者さんも、確かいたよね。」 よっきゅん「ええ、明細胞です。その方はPR(癌が半分以下に縮小した状態が4週間以上続いたこと)まで反応しました。」 かずさ2号「よっきゅんはどう思う?」 よっきゅん「私は、少しでも可能性があるなら、登録してもらってもいいと思うな。 だって、その患者さん、もう他の化学療法じゃ、反応しないんですよ。 HORAI-ONC4970はまだ反応する可能性があるんですよ。」 かずさ2号「反応すると思う? 今まで二人の患者さんはだめだったよね。」 よっきゅん「でも、患者さんの希望を無くすのも、気の毒でしょ?」 かずさ2号「問題は、反応する可能性があるかどうか、だ。」 よっきゅん「もし、それでもと患者さんが希望したら?」 みんなだったら、どうする? |
2004/4/6 |
かずさ2号「たとえ患者さんが希望されても、会社としては困るよ」 よっきゅん「つまり奏効率(抗ガン剤の効果)が、下がるということを心配しているわけですね?」 かずさ2号「ハッキリ言って、そうだよ。もし、奏効率が下がったら、次のステップに進めない。」 よっきゅん「でも、それって、会社のご都合主義じゃないですか?」 かずさ2号「そのとおり。でも、こうとも考えられる。もし、次のステップに進めなかったら、せっかく効果のある薬が世の中に出るのが遅れてしまう。そうすると、一般の患者さんたちに使ってもらうのが遅くなる。」 よっきゅん「一人の患者さんよりも、多くの患者さんのために、その一人の患者さんの希望をつぶしてもいいのですか?」 かずさ2号「どう、思う?」 よっきゅん「・・・・・・将来の多くの患者さんのために、目の前にいる患者さんの苦しみを救えないのですか?」 かずさ2号「実は、そこに問題がある。果たして、その目の前にいる患者さんの苦しみを救えるかどうか? 今までのデータでは、可能性は低い。」 よっきゅん「データが全てですか? ひょっとしたら、今度の患者さんには効くかもしれないじゃないですか!」 かずさ2号「効かないかもしれない。・・・・・・やめよう、水掛け論だ。ヘンリー川崎さん、どうします?」 ヘンリー川崎「まず、医師に会いにゆく。そして、今の会話の話の要約を、そのまま医師に伝える。つまり、効果が出る可能性は低い。まず、それを伝えよう。 あとは医師の判断だ。」 |
2004/4/7 |
ブンブン萩本医師を訪問するかずさ2号とよっきゅん。 かずさ2号「先生、いつもお世話になっております。今回も、ご登録のお話しがあるということで、参りました。」 ブンブン萩本医師「うん、昨日、電話で話したとおり、卵巣ガンの患者さんが一人いるんだ。それで、お宅の治験に参加してもらおうかと思っているんだけれどさ、どう?」 よっきゅん「先生、その患者さんはお電話で聞いたときは未分化胚細胞腫といことでしたが、それは間違いないでしょうか?」 ブンブン萩本医師「あぁ、それは間違いない。今まで既存の化学療法をやっていたんだけれど、もう反応しなくなってさ。患者さんに、お宅の治験の話をしたら、是非、やってみたいと言うんだよ。プロトコール上、未分化胚細胞腫はダメとかないよね?」 よっきゅん「はい、プロトコール上では、そういう規定はありません。」 ブンブン萩本医師「じゃ、登録していいかな? 実はさ、向こうの会議室に、もうダンナさんと患者さんが待っているんだ。」 かずさ2号「実は、先生、その未分化胚細胞腫なんですが・・・・・・。」 ブンブン萩本医師「ん?それが?」 かずさ2号「今まで、未分化胚細胞腫のお二人の患者さんで、うちの治験薬を使ってもらったのですが、どちらもPDでした。」 ブンブン萩本医師「う〜〜ん。そうなの?」 よっきゅん「はい、そうなんです。どちらも2コース目でPDになってしまいました。ですから、今回もその可能性があります。」 ブンブン萩本医師「そういう可能性はあるな。でもさ、患者さんも希望していることだしさ、最後の頼むの綱でもあるんだよ。」 かずさ2号「はい、それはよく分かります。しかし、ここはもう一度考えて頂きたいのですが・・・・・・。」 ブンブン萩本医師「ん? 登録をやめろと?」 かずさ2号「できましたら、そのほうが患者さんのためにも・・・・・・」 ブンブン萩本医師「きみたちは、奏効率を気にしているんだろ! 会社のことしか考えていないんだな!! 患者さんのことは二の次なんだろう!!」 |
2004/4/8 |
がんの遺伝子治療(開発コード)「HORAI-ONC4970」に、今まで効果が見られていない未分化胚細胞腫の卵巣ガンの患者さんを治験に参加させたいという医師からの電話が有った。その続き・・・・・・ ブンブン萩本医師「きみたちは、奏効率を気にしているんだろ! 会社のことしか考えていないんだな!! 患者さんのことは二の次なんだろう!!」 かずさ2号「いえ、先生、もちろん患者さんのことは考えています。 ただ、過去のデータから、この治験薬がこんどの患者さんに反応する確率が低いということです。」 よっきゅん「私どもとしましても、もしこの治験薬でガン患者さんが少しでも延命して頂ければ、それに越したことはありません。」 ブンブン萩本医師「だったら、いいじゃないか!」 かずさ2号「先生、もし反応しなかった場合は、副作用だけが患者さんを襲うことになります。それも私どもが心配している理由です。 とくに今回の治験薬では、もう十分ご存知だとは思いますが、重篤な副作用として好中球の減少による感染症、さらに下痢、重度な消化器障害等が出ます。」 ブンブン萩本医師「それ位、知っているよ。でも、それを承知で患者さんも納得しているんだ。」 よっきゅん「・・・・・・先生、もし今回の患者さんが、この治験に入らない場合は、どのような治療になりますか?」 ブンブン萩本医師「あとは・・・・・・『温熱療法』かな。」 よっきゅん「そちらは、どれくらいの確率で癌が反応されると思われますか?」 ブンブン萩本医師「・・・・・・良くて20%ってところか。」 よっきゅん「温熱療法は、それほど重度な副作用が出ないと聞いていますが。」 ブンブン萩本医師「お宅の治験薬ほどではない。」 よっきゅん「・・・・・・では、先生。 同意説明文書にもありますが、この治験に入らなかった場合の治療方法として、その温熱療法を説明して頂けますか?」 ブンブン萩本医師「もちろんだよ。」 かずさ2号「分かりました。 温熱療法で反応する確率と副作用のこと、そして、こちらの治験薬ではまだ未分化胚細胞腫の卵巣ガンに効果が出た人がいないこと。それと、予想される副作用を十分にご説明願いますか?そして、先生のご見解もつけてください。」 ブンブン萩本医師「それまた、当然だ。」 かずさ2号「ありがとうございます。 その上で、もし患者さんが、同意されるのであれば、私どもとしましても、もちろん、登録を拒否することはありません。」 ブンブン萩本医師「いいんだな? もし患者さんが同意したら、この治験に登録しても。」 かずさ2号「もちろんです。」 ブンブン萩本医師「今の話を、あそこの会議室で待っているダンナと奥さんにする。」 よっきゅん「ありがとうございます。 また、もし何かありましたら、ご連絡ください。 本日は、これで失礼します」 二人は、医局を出て玄関に向かった。 その途中の廊下で、先生が言っていたとおぼしき中年の夫婦が缶コーヒーを持ち、会議室に入っていくところとすれ違った。 二人は、一瞬立ち止まった。 しかし、二人はただ黙礼して、そのまま無言で玄関に向かった。 病院の庭は桜が満開だった。 (注意:架空の話しです。) |
2004/4/11 |
高血圧の治験「HORAI-E±2004Z」は200例の目標に対して最終的に230例が登録された。 予定通りの登録終了だった。 6月にキーオープン予定だが、最後に登録された患者さんの最終観察日が4月末だから、約1ヶ月でデータ固定をしないといけない。 既に、これまでに150例分のCRFが回収された。 残りの80例をこれから回収しつつ、今までに回収されたCRFのデータ固定のために、DCFを持って、全国を飛び回ることになる。 ここから先は、今まで以上に緻密なスケジュール管理が要求される。 デーモン山田「デーさん、今回のHORAI-E±2004Zのデータ固定はどんな感じ?」 デーさん「回収数が150例で、固定されたのが120例くらいかな。」 デーモン山田「DCFはどれくらい出ているのかな?」 デーさん「え〜〜と、平均すると1例につき2〜3枚ってとこですかね。 で、1枚につき、問い合わせ項目が・・・5項目くらいかな。まぁ、こんなもんでしょ。」 デーモン山田「んだね。僕のお腹の出具合と同じくらいだね。」 デーさん「それは、検定してみないと分かりませんな。」 デーモン山田「ふじおねえさん、重篤な副作用は報告されている?」 ふじおねえ「MTさんとも連絡を取り合っていますが、今のところ 血圧低下で一人が入院しました。 あ! あと、例の『勃起不全の改善』と『発毛促進』がありましたよね。重篤ではないんですが。」 デーモン山田「おお、そうだった、そうだったね。で、全症例の進捗管理は誰がやっているんだっけ?」 デーさん「それは、僕の方から毎週、月曜日に先週までの回収情況とデータ固定状況を、プリンセス・オーロラさんへ、メールで連絡していますよ。」 デーモン山田「お〜〜!あの「サルバトーレ メチコバール ビビディバビデブー」のオーロラちゃんね。」 ふじおねえ「部長も、自分のPCから進捗状況が見れますよ。」 デーモン山田「あら?そうなの?」 ふじおねえ「え〜。イントラネットのHORAI-E±2004Zのサイトに「症例進捗管理」というページがありますので、そこから見てください。」 デーモン山田「ほ! 便利になっちゃったわけね。いちいち、DMのところまで足を運ばなくてもいいんだ!」 ふじおねえ「あ! そうそう、言い忘れました。 あの・・・・・・デーモン部長の閲覧権限は削除されました。」 デーモン山田「ん? なんで?」 ふじおねえ「キャサリン立川さんが、デーモン部長のお腹を考えて、DM室まで足を運ぶようにするためとか、言ってました。」 デーモン山田「うう〜〜〜、部長思いの部下を持つと、嬉しくて涙が出るよ」 ふじおねえ「まぁまぁ、そんなに感激しなくても、はい、飴でもどうぞ」 デーモン山田「うん、ありがとう。」 ・・・・・・というわけで、キャサリン立川の努力も空しく、DM室に足を運んで消費するカロリー以上のカロリーがある飴を舐めるデーモン山田なのでした。 |
2004/4/12 |
カッコ亀井 「ね、治験って『倫理』が大切って言うじゃん?」 こさめ 「そうね、新人研修のプログラムには、必ず『ヘルシンキ宣言』なんかを入れるわね。」 カッコ亀井「あれってさ、もちろん大切なんだけどさ、『ヘルシンキ宣言』を新入社員に教えて、それで『倫理』は終わりというのも寂しいよね。」 こさめ「そうそう、それにさ『ヘルシンキ宣言』をじんわりと肌で分かってくるのって、治験の業務に携わって4,5年くらいからよね。」 カッコ亀井「だよな。最初に教えておく意義を否定はしないけれど、それだけで済む話しじゃない。現実の場面ではいろいろと問題もあるよね。」 こさめ「それは『ヘルシンキ宣言』に限らずなんだけれどね。・・・・・・何か、いい手は無いかしら?」 カッコ亀井「倫理ね。・・・・・・ まず考えられる方法としては、会議やOJTなんかで「倫理的」とは何かを伝えていくという手が有るよね。たとえば、Aの方法は倫理的に問題無いけれど、Bの方法を選ぶのは倫理的ではないとかね。」 こさめ「なるほど。その時に何故、倫理的じゃないかという説明をつける必要があるわね。」 カッコ亀井「でも、うまいことそんな会議がしょっちゅう有る訳じゃないからな〜〜〜。新人研修で倫理を教えるいい手はないかな・・・・・・」 こさめ「たとえば、過去の会議で、そんなことが有ったか調べて、それを事例に使った事例検討をやってもらうのはどう?」 カッコ亀井「うん。それは考えていたんだ。それ位かな?」 こさめ「あとは・・・・・・治験じゃなくてもさ、事例検討で、薬害事件を題材にするとかね。 それと、え〜〜と・・・・・・ロールプレーで説明同意文書をつかって、新人同士で医師役と患者役をやってもらう、なんていう手もあるわね。」 カッコ亀井「あ、それいいね。身をもって体験してもらうのも大切だ。」 こさめ「そもそも『治験の倫理って何?』 ということを新人たちに考えてもらうのはどう?」 カッコ亀井「あはは、それって研修では『禁じ手』のような気もするな。モニター歴10年の人に聞いても、果たして、答えられるかどうか? つう〜〜〜か、僕たちなら、どう答える?」 こさめ「う〜〜〜ん、確かに。 私なら、どう答えるだろう? ・・・・・・患者の『倫理』とか『福祉』っていうGCPのお題目って、治験をやればやるほど、分からなくなってくるという気もするわ。」 カッコ亀井「そうだね。まずはとにかく僕たちで考えよ。 で、その結果が出たら、その結果に結びつけられそうな研修方法を考ようか。」 こさめ「だわね。教える前に、まず自分たちで考えよっか。 じゃ、お互いに、それを考えて、1時間後にまた再開しましょ。」 カッコ亀井「開発経験が長い、デーモン部長とヘンリー川崎さんにも参加してもらおうよ。」 こさめ「OK.。私から二人には伝えておくわ。」 カッコ亀井「よろしく。デーモン部長は、今の時間なら、丁度、机でスポーツ新聞を読んでいるころだ。」 こさめ「あ、それって、いつも「丁度」だわよ。」 デーモン部長「へぇ〜〜〜〜くしょん!」 |
2004/4/13 |
こさめ 「さて、どう? いいアイディア出た?」 カッコ亀井 「うん、まずね、もし自分が患者なら参加したくないなと思う治験は倫理的じゃない。」 ヘンリー川崎「たとえば?」 カッコ亀井「そこがなんとも言えないだよね。ん・・・例えば「同意説明文書」がいい加減なやつ。うん!だから、治験の倫理は『同意説明文書』につきる、凝縮されていると言えるかも。 こさめさんは?」 こさめ「私はね、もちろん同意説明文書も大切だけれども、その前のプロトコールで規定された治験のやり方、そのものの中にも倫理性が組み込まれているべきだと思うね。 たとえばさ、余計なというか、無駄な検査のために採血するなんてのは、倫理的じゃないわよね。」 ヘンリー川崎「なるほどね。同意説明文書にプロトコールと。 僕は、答申GCPにある『GCPの原則』も合わせて解説してはどうかと思うな。 僕が治験で倫理性に悩んだ時は、あの『原則』に立ち戻って考えるからね。デーモン部長は?」 デーモン山田「んだな〜、やっぱさ、ヘルシンキ宣言ができた経緯も教えるといいんじゃないの? ナチや日本軍による人体実験を反省し、ニュールンベルグ宣言だったけ? ができてさ、 で、ヘルシンキ宣言になったというあたりね。 そういった経緯も教えたら、どうだべ? GCPもヘルシンキ宣言に基づいて作られたわけじゃからな。」 こさめ「若い人たちに、ピンとくるかしらね〜?」 デーモン山田「お〜〜〜い、BECKくん、どうだ?」 走ってきたBECK「はぁはぁはぁ〜〜〜、なんですか?」 こさめ「あのさ、上(↑)の文章読んで。 どう思う?」 BECK「・・・・え〜〜と、はっきり言って、ヘルシンキ宣言の文章を読まされただけでは、ピンときませんね。 『インフォームド・コンセント』が無い治験は、『サリン事件』と同じだ、なんて言われると、身近に感じてもらえるんじゃないんっすか?」 デーモン山田「なるほど、なるほど。 お、丁度いいところに、ゲスブで活躍しているドンドンが来たぞ。お〜〜い、ドンドンくんや、(中略)どう思う?」 ドンドン「ん〜〜、治験はハッキリ言って『人体実験』ですよね? でも、ナチなんかがやった『非人道的』な人体実験とは違うでしょ。なぜなら、そこに『倫理的原則』があるからですね。 それが何か?を考えたらいいんじゃないでしょうか?」 こさめ「なるほど。・・・・・・何があるから『非人道的な人体実験』と『治験』は違うのか? その「何か」が、問題だわね。」 |
2004/4/14 |
こさめ「なるほど。・・・・・・何があるから『非人道的な人体実験』と『治験』は違うのか? その「何か」が、問題だわね。」 カッコ亀井「そうだね・・・・・・・たとえば」 ルーシー「ちょっと、まった〜〜〜〜!!」 ヘンリー川崎「ん? おールーシーさんじゃないか。」 ルーシー「治験の倫理でしょ? だったらさ、患者側というか一般ピーポー代表の私にも言わせてよ。」 デーモン山田「そりゃそうだ。是非、聞かせておくれ。」 ルーシー「もし、私が治験に入るなら、私が知りたいことを全部、包み隠さず教えてくれる治験がいいわ。」 ヘンリー川崎「なるほど。有効性や安全性ということかな?」 ルーシー「うん、もちろん、それもあるけれどさ、とにかく「治験」という聞きなれない言葉に「不安」があるのよ。その不安、全てについて聞かれたら答えてくれる治験が倫理的な治験だと思うわ。」 こさめ「う〜〜〜ん、そうなると、これは治験依頼者だけの問題じゃなくて、CRCの方や治験責任/分担医師にも関わる話になるんだ。」 カッコ亀井「そうだね。僕たち治験依頼者は間接的にしか、患者さんへ情報を提供できないからな〜。」 こさめ「依頼者はとにかく、CRCの方や医師が答えられるように情報を提供しておくことが大切ってことよね。」 ルーシー「あとね、たとえばさ、『バジルさんの治験体験記(4)』に『問題は一点。プラセボであった場合について。治験終了後にプラセボだったかどうかを教えてもらえるかどうかという点について 説明はなかったし、同意説明文書にも、記載されていなかった。 プラセボに当たる可能性があることは納得できるが、自分が飲んだものが何であったのかは知らされるべきだと思う。』という一節があるわ。これだって、患者の知る権利だと思うけれど、どーよ?」 カッコ亀井「そうだね。そんなことも含めて、治験が終わると、その患者さんとは、プツっと縁が切れるね。」 ルーシー「でしょ? なんかさ、治験に参加している時だけはいい顔をしているけれど、その後は知らんプリって、ひどくない? 私が参加した治験薬が、その後、どうなったのか知りたいわ。だって、治験は新薬開発のために必要だと言っておきながら、私が参加した治験薬が承認されて、新薬として発売されたのかどうかを、知らせないって、変よ。」 ヘンリー川崎「言われてみれば・・・・・・。」 ルーシー「私も、新薬開発のため、次の世代のためになれるんだと思って参加したのに、それがどうなったか知らされないのってさ、すっご〜〜〜く、理不尽だと思うわよ。」 BECK「OK。 じゃホーライ製薬は必ず連絡しませんか? 治験責任医師にも働きかけて。どう?」 こさめ「いいわね。賛成。 みんなは? ・・・・・・異議無しと。 じゃ、治験が終わった患者さんには「感謝状」を出して、そこに、もし承認されたあかつきには、ご連絡します。とでも書いて、渡しましょう。 社長の許可いるかしら?」 ルーシー「大丈夫よ、そんなの。『さっさとやっちまえ』がポリシーだし、悪い情報は早く欲しいと言うけれど、自分たちがいいと思ったことを実行に移すことに、いちいち許可なんていらないって、いつも言っているんだからさ。どう〜〜せ、今ごろは『丁度』ネットサーフィンして、いないだろうしさ。」 ホーライ「ぶふぁ〜〜〜くしょん!、しょん、しょん、しょん、しょん・・・・・・ う〜〜ん、大講堂でクシャミをすると響くな。。。。『暇あまりくさめ響くや燕の子』 ときたもんだ。」 |
2004/4/15 |
今週のテーマは(どうやら)「治験における倫理」について・・・・・・・昨日の続き こさめ「じゃ、昨日の続き行くわね。昨日、決まったことは、今後、ホーライ製薬は、治験参加者に、無事に薬の製造承認がとれた場合、あ! 取れなかった場合もやりましょうよ。いいわね。・・・・・・異議無しね。はい、じゃ、とにかく、患者さんが協力してくれた治験薬がどうなったかを、知らせる。それから、キーオープンしたら、希望する患者さんには、プラセボだったのか、実薬だったのか、対照薬だったのかも、知らせることにする。OK?」 ルーシー「ん、いいわね。」 こさめ「はい、じゃ、次ね。ドンドンさんから提示された『何があるから、非人道的な人体実験と治験は違うのか?』、これ、どう?」 カッコ亀井「まず、インフォームド・コンセントがあるよね。」 ヘンリー川崎「事前にプロトコールを作り、それを第三者であるIRBが審査する。」 BECK「医師は、その承認されたプロトコールを守らないといけない。」 デーモン山田「モニターは、それを見張る役目がある。」 こさめ「プライバシーの保護もあるわ。」 ドンドン「もし、プロトコールを逸脱したら、その理由を説明する義務がある。」 カッコ亀井「社会的利益より、個人の意思が優先される。」 BECK「今、みんなが言ったことが、全て記録として残される。」 カッコ亀井「おいおい! なんだよ、これってさ、結局、GCPじゃん!」 こさめ「・・・・・・そういうことだわね。」 カッコ亀井「GCPの目的である『被験者の人権保護』、『科学的な質の確保』、そして『データの信頼性』の三本柱のうちに入っているってことか。」 こさめ「振り出しに戻ったことになるけれど、やっぱり、私たちが、現在取りうることのできる『治験の倫理性』って、GCPを守る、という、最も当たり前のことなんだね。」 BECK「そっすね。そしてさ、ヘルシンキ宣言がどんどん科学の進歩とともに、変わっていくように、今、僕たちが『倫理的な方法』というのも、ひょっとしたら、10年後には『昔はさ〜〜、患者さんにプラセボかどうかも知らせなかったり、承認されたかどうかも教えていなかったんだよな〜〜〜。信じられる?』なんてことをヘンリー川崎さんが言うんすよ。」 カッコ亀井「そうそう、いつもデーモン部長が『旧GCPの頃はカルテの閲覧もできなくてさ、あれで、どうやってデータの信頼性を確保していたのかね。そもそも、データの信頼性という概念すら無かったのかもね』なぁ〜〜〜んて、言っているようにね。」 こさめ「あははは! は〜〜い、みんな、どうもありがとう。 結局、GCPを基に治験の倫理性をいろんな角度から、新入社員に考えてもらうわ。そして、彼ら/彼女らが、また新しく、より良い倫理性確保のツール、ルールを見つけてくれると嬉しいわね。」 ルーシー「将来が楽しみだわ。」 BECK「わくわくしますね」 ヘンリー川崎「うん、そうあって欲しいもんだよ」 デーモン山田「わしが生きているうちに願いたいね。」 こさめ「そう悲観しなくてもいいわよ。今年も活きのいい新人たちがやってくることだし。」 カッコ亀井「僕たちは、若い芽を伸ばしてあげるキッカケを与えるという手伝いしかできないけれどね。」 こさめ「そうね・・・・・・。サッ、研修の準備をしましょ! 今回は、みんな、本当にありがとう。助かったわ」 【参考】ある辞典より 倫理とは・・・・・・ 人として守り行うべき道。善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの。道徳。モラル。 |
2004/4/18 |
高血圧の治験「HORAI-E±2004Z」は200例の目標に対して最終的に230例が登録された。 予定通りの登録終了だった。 6月にキーオープン予定だが、最後に登録された患者さんの最終観察日が4月末だから、約1ヶ月でデータ固定をしないといけない。 既に、これまでに170例分のCRFが回収された。 残りの60例をこれから回収しつつ、今までに回収されたCRFのデータ固定のために、モニターはDCFを持って、全国を飛び回ることになる。(先週一週間で20例が回収された) ところで、今日は、ルパン三世が難敵の「シャーロキアン石松医師」からCRFを回収に行く。 このシャーロキアン石松医師は、CRFを書かないことで有名だ。 いつも「最後に一気に書いたほうが効率がいい」と言って、治験に参加された患者さんの全ての治験の検査が終わるまで書かない。 ヘンリー川崎が担当していた時は、CRF回収のデッドライン二日前に、医局に缶詰状態にして書いてもらったという伝説が残っている。 今回も4人の患者さんから治験に参加してもらったが、まだ一人分のCRFも書いてない。 なんとか、したいとルパン三世は考えている。 ルパン三世 「何か、シャーロキアン石松先生にCRFを書いてもらう日取りだけでも、今日は確約してもらうぞ。 う〜〜〜〜ん、何か、良い手はないかな・・・・・。一筋縄ではいかない先生だからな。 」 プリンセス・オーロラ「何、さっきから唸っているの?」 ルパン三世「シャーロキアン石松先生にCRFをどうやって早く書いてもらおうか考えているんですよ」 プリンセス・オーロラ「う〜〜〜ん、あの先生の。。。。そうね、私の経験ではね。」 ルパン三世「はい。」 (どうやら、今週は「どうやって医師に早くCRFを書いてもらうかというのがテーマらしい) |
2004/4/20 |
プリンセス・オーロラ「私の場合はね、その先生のタイプに合わせて攻略法を考えるのね。」 ルパン三世「へぇ〜〜、たとえば?」 プリンセス・オーロラ「理論的な話し方、考え方をする先生には、同じように『なぜ、早くCRFを書いて頂く必要があるか』ということを理詰めで攻めるのね。」 ルパン三世「うん、うん、なるほど。」 プリンセス・オーロラ「あと野球なんかの好きな先生は、もちろんその先生がファンのチームの話から入っていくわけよ。 で、徐々に気分を高揚させて、なにげにCRFの書く日取りを決めちゃうの。 だから、自分の担当の医師がどんな趣味があるのか、日ごろから対話を通して、情報を入手する必要があるわね。」 ルパン三世「そうですね、日ごろからのコミュニケーションが大切ですよね。」 プリンセス・オーロラ「そうりゃそうよ。頼みごとの時だけ行ったってだめよ。これは対外的なことだけじゃなく、社内でもそうだし、人間対人間の基本はこれよね。」 ルパン三世「そうか!それでデーモン部長は用も無いのに、いろんな所に出張しているんですね。」 プリンセス・オーロラ「あはは! デーモン部長は多分、半分は観光がてらね。」 ルパン三世「その他にもありますか?」 プリンセス・オーロラ「無口な先生とか、短気な先生なんかもいらっしゃるでしょ?」 ルパン三世「はい。それぞれに対する対応方法も考えておく必要があるわけですね。」 プリンセス・オーロラ「そのとおり」 ・・・その頃デーモン部長は田沢湖付近のとある病院に行っていた。 デーモン部長「どーも、先生、ご無沙汰しております。」 サーモン都我不安来医師「おおおお〜〜、珍しいじゃないか。どーしたの?」 デーモン部長「先生、その説はお世話になりました。 ちょっと、吟行で、こちらに来まして。」 サーモン都我不安来医師「あ? 銀行? わざわざ、金を下ろすためだけに来たの?」 デーモン部長「いえいえ、最近、俳句をやるようになりましてね、仲間と俳句を作るために田沢湖散策にきたんですよ。それで、先生のお顔を拝見したくなりましてね。」 サーモン都我不安来医師「おお、そうかい。しかし、あの時の治験は大変だったよな。でも、ホレ、今でも毎日処方しておるぞ。 患者さんからもいい薬だと評判だぞ」 デーモン部長「いや〜〜ありがとうございます。モニター冥利につきますな。」 |
2004/4/21 |
ルパン三世「じゃ、シャーロキアン石松先生の場合はどうしたらいいでしょうか?」 プリンセス・オーロラ「そうね・・・・あの先生の場合は、やる気はあるし、治験のこともよく理解しているわね。」 ルパン三世「ええ、そうなんです。ただ、CRFを書くのが面倒くさいということだけなんですよ。」 プリンセス・オーロラ「うん。ところで、あなたはどうしてCRFを早く書いてもらいたいわけ?」 ルパン三世「だって、もうデッドラインがせまっているから。」 プリンセス・オーロラ「じゃ、デッドラインがせまってなかったら、早く書いてもらう必要はない?」 ルパン三世「ん? ・・・う〜〜〜ん、そんなことはないです。一人一人の患者さんが終わりしだいとか、ビジットタイプなら可能なところから、書いてもらいたいですよ。」 プリンセス・オーロラ「そうね。どうしてかしら?」 ルパン三世「そうのほうが、入力するDMの人の労力も平均化して、いいでしょ? 最後にグワ〜〜とCRFが来るよりも、徐々にデータが来たほうがいいですよね。」 プリンセス・オーロラ「もちろん、それもあるわね。でも、それだけかしら? 早くCRFを書いてもらう意義って? 早くCRFを書いてもらう意義をちょっと考えてみてくれない?」 |
2004/4/22 |
ルパン三世「CRFを早く書いてもらう意義ですね。う〜〜〜ん・・・・・・・まずは医師の記憶が新たなうちに書いてもらうほうが、ミスが少ない。疑問点も解決しやすい。」 プリンセス・オーロラ「そうそう、それあるわよね。あとはどうかしら?」 ルパン三世「早く回収し、SDVすることにより、医師の勘違いを無くすことができますね。例えば、医師が選択基準を勘違いして一人を治験に登録したとするでしょ? それを、登録してすぐにCRFに書いてもらい、SDVして、勘違いを見つけたら、次からの登録からは問題無い。でも、それが最後の最後にCRFを書いてもらい、SDVしたら4人全部、選択基準違反なんていう悲惨なことにもなりかねないですね。」 プリンセス・オーロラ「うん、いい点ついてきたわね。昔はね、結構そんなことがあったのよ。他には?もう無い?」 ルパン三世「あとは・・・・・・・口頭のモニタリングでも確認できるかもしれませんが、早くCRFを記載してもらうと、重篤な副作用なんかを見逃さないで済みますね。 口頭で『先生、何か有害事象出ていますか?』なんて聞いても、適当に『うん、別に無いよ』と言っていても、最後にSDVしたら、結構、重篤な有害事象が有ったという経験もありました。」 プリンセス・オーロラ「そうよね。もし、それが重篤な副作用だったら、目もあてられないわね。 早く発見できたら治験に参加している全病院に連絡することもできるけれど、発見できなかったら、他の病院でも重篤な副作用が発生して、患者さんの多くの命を危険にさらすことにもなるわ。」 ルパン三世「うん、それは絶対に避けたいです。」 プリンセス・オーロラ「でしょ? だから早くCRFを書いてもらう意義の一つにそれも入るわね。」 ルパン三世「ですね。デッドラインを守るためだけじゃなく、そんなことに関係なく、早くCRFを書いてもらう必要がありますね。」 プリンセス・オーロラ「うん。 いろいろ理由があったわね。このあたりをシャーロキアン先生におっしゃってみたら?」 ルパン三世「なるほど。そうします。先生のデータの持つ意義とそれを早くCRFとして書いてもらう意義を話してみます。」 プリンセス・オーロラ「きっと、常識的な先生なら、書いてくれると思うわよ。頑張ってね。」 ルパン三世「は〜〜〜い! じゃ、行ってきま〜〜す!」 プリンセス・オーロラ「いってらっしゃい。」 ・・・その頃デーモン部長は田沢湖付近のとある病院に行っていた。 サーモン都我不安来医師「で、俳句はどう?」 デーモン部長「え〜〜、田沢湖はいいですな。やっぱり空気がいいところで、景色がいいと心が洗われるようで、いい俳句が沢山できました。」 サーモン都我不安来医師「ほ〜〜〜! いい薬もそれだけ早くできるなら、田沢湖に製薬会社ごと引っ越してこんかい?」 デーモン部長「いいですね〜〜! うちの会社はもう、どこに有っても同じですからね。(インターネットさえ繋がれば)」 サーモン都我不安来医師「俳句はどんなのができたの?」 デーモン部長「ええ、まずはこんなところを・・・・『田沢湖に小石投げればいぬふぐり』」 サーモン都我不安来医師「ん〜〜?なんじゃそれ?」 デーモン部長「あとはですな『田沢湖やああ田沢湖や田沢湖や』」 サーモン都我不安来医師「会社、引っ越さなくて良いぞ」 デーモン部長「まぁまぁ、そう言わずに、次が・・・・」 サーモン都我不安来医師「あ!忘れていた!今日は急患の予約が入っていたんだ。残念だが、あとは今度にしてくれ。」 デーモン部長「そうですか、急患の予約が・・・・それは仕方がないですな。じゃ、また今度ということで。」 サーモン都我不安来医師「うん、また。近いうちにおいでよ。吟行無しで。」 デーモン部長「は、お邪魔しました。」 デーモン部長「・・・・・・「急患」の「予約」か。。。。」 デーモン部長の俳句修行はまだまだ続くのであった。がんばれ!デーモン部長。 |
2004/4/25 |
ホーライ製薬の談話室で・・・・・・ 秘密研究員 「ところでさ、『二日酔いの薬』って、リアルではどう思う?」 震電 「う〜〜ん、OTC(一般薬)にはあるよね。」 大黒 「『薬は病気を治す、緩和する、予防するもの』というような観点で言うと、果たして『二日酔い』が『病気』と言えるかどうか、というところがポイントのような気がするんじゃが。」 るみ子の酒 「そうね。・・・・・・でもね、その『病気』という概念も、変わってきていると思わない?」 秘密研究員 「ん? どういうふうに?」 るみ子の酒 「たとえば、『勃起障害』ね、あとは『更年期障害』、『薄毛』とかさ、昔なら、年齢がいったら、それは当然なるもので、しょうがないと諦めていたわ。」 震電 「たしかに、そうだね。」 BECK 「QOLって言葉があるっすよね? Quality Of Life・・・・・・人生の質っていうか、よりよい生活っていうのかな。そのQOLの向上っていう観点で言えば、『二日酔い』も病気と捉えてもいいんじゃないっすか?」 フロリス 「WHOの定義もあったわね。 『健康な生活とは、単に病気ではないということではない』というような・・・・・・」 (今週のテーマは、どうやら「病気とは何か? 薬とは何か?」という大それたテーマらしい。) |
2004/4/26 |
キャサリン立川 「確かにね。たとえば抗ガン剤なんかの使い方も、昔とは変わりつつあるようよ。以前なら単純に癌の縮小だけを考えて投与したとしても、もし、それが一時的なもので、しかも副作用がきつく出るなら、そんなに強くない抗ガン剤で、副作用を少なくする。ただし、延命効果はあまり期待できない。。。。というようなことを、患者さん自身に選んでもらうということも、あると聞いたことがあるわ。」 るみ子の酒 「うん。極端な話しね、意識は無いのに、ただ息をしているだけの人口呼吸器や点滴やらチューブをたくさんつないで、ただ『生かされている』というような状態もあるわね。」 秘密研究員 「そうなると、生命の尊厳に関連してくるよな。 自分ならどうするだろう? と僕自身考えることがあるよ。もし、意識の回復が認められないのなら、それは止めて欲しいと健康なときから、家族に言っておこうかとも思ったりね。」 フロリス 「でも、家族にしてみれば、万が一、奇跡が起こり、もう一度意識が戻るかもしれない。体温があるのに、人工呼吸器を止めて欲しいなんて、なかなか言えるものではないと思うわ。」 大黒 「生き方の問題だわな、そこまで来ると。」 るみ子の酒 「ちょっと話が大きくなりすぎたから、病気とは?に、話を戻さない?」 震電「うん。 さっきから、考えていたんだけれどさ、『二日酔いの頭痛』と本当にというのも変だけれど、『普通の頭痛』や『偏頭痛』に差があるのかな?」 よっきゅん 「原因はともかくとして、『痛み』に変わりはないわよね。本人が苦しいという状態も。」 フロリス「痛みの原因で差別してはダメだと思うわ。病気になったのが、どんな原因であれ、肺炎は肺炎だわ。たとえば、真冬のプールで、自分から飛び込んで肺炎になったからと言って、治療してもらえないということは無いわよね。」 秘密研究員 「そりゃ、そうだ。」 |
ホーライ製薬の談話室で・・・・・・(今週のテーマは、どうやら「病気とは何か? 薬とは何か?」という大それたテーマらしい。) 震電 「僕なら、どんな病気の薬だろうと、研究者として開発したいぞ。」 るみ子の酒 「たとえばさ、二日酔いの薬ができて、市販されたとするでしょ。それってさ、アルコール中毒患者を増やす可能性もあるわ。」 大黒 「そんなこと言ったら、勃起障害の治療薬だってエイズを増やす可能性もある。ピルもそうだ。」 秘密研究員 「うん。そもそも意図していない使われ方をされる薬すらあるよね。たとえば超速攻型の睡眠薬なんて暴行や犯罪にも使われる可能性はある。」 よっきゅん 「そうね。昔はモルヒネやコカインが、普通の薬局で処方箋が無くても買える時代もあったわ。」 ブライアン成田 「もし、ある化合物を発見して、それがたとえ意図しない使われ方をしたら不幸を及ぼすかもしれないとしても、『ルール』(用法・用量、使用方法)を守って使われたら、病気、苦しみ、悲しみから人間を救ってくれるなら、それは開発する意義があると思うな。」 BECK 「そうっすよ、薬は『ルール』が守られるという前提で開発していくしかないっすよ。」 フロリス 「なるほどね。 科学は『もろ刃の剣』と一緒ね。」 るみ子の酒 「あとは、会社のポリシーね。」 秘密研究員 「そうだろうな。・・・・・・会社がどこに開発の意義を見出すか。もちろん、企業だから利益も考える。でも、利益だけ考えていてはいけないのが、製薬会社の宿命よね。」 メタルナイト 「会社の宿命ということは、僕たち自身の宿命ってことさ。」 フロリス 「そういうことね・・・・・・。 じゃ、みんな素敵なGWを!」 |
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