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2004/1/4 
昨年の暮れに発生した有害事象(ショック症状)は治験薬との因果関係が否定された。
これに対して、治験責任医師から当社の「治験に関する補償と賠償」の考え方を教えて欲しいという連絡があった。

早速、ベテランのさらと経験がまだ浅いBECKに説明に行くよう、ヘンリー川崎はお願いした。

この「治験に関する補償と賠償」については、なかなか問題がある代物で、病院によっては「治験依頼者」が全ての補償と賠償の全責任を負うように契約書に書かないと治験を受託しないと脅すところもある。

いくら治験中とは言え、中には明らかに医師による過失もある。そんなところはキッチリと病院側で対応してもらわないと治験依頼者もやってられない。

このあたりのことを意外にモニターは知らないことがあるので、カッコ亀井に出社早々、「事例で学ぶ補償と賠償」という研修でもやってもらおう。

デーモン部長にも、もう一度、当社における補償と賠償の制度と手順を勉強し直してもらおうと机を見たら、「新年会で出張中」とあった。。。。その机の上にはしっかりと他社の胃腸薬が鎮座していた

愛社精神のかけらも転がっていないホーライ製薬の今年はどんな一年になることだろう。。。
2004/1/5
本日入社したカッコ亀井に「事例で学ぶ治験の補償と賠償」研修のコンセプトを、ヘンリー川崎は説明した。
このような条文やガイドラインはただ読んでいるだけでは、みんな寝てしまうので、実例を各自に考えさせ、その答えを、みんなでディスカッションさせ、その後、正解を紹介するという方法をとると、効果的なんだ。

今回はモニターを対象とするだけでなく、監査室の黒丸にも受講してもらおう。
監査も補償や賠償の知識があったほうが、監査しやすいよね?

こうなったら、プロジェクトマネージャーのハレ〜と安全性部門のMTにもしっかり補償と賠償を学んでもらおう。

こんな時に一番聞いて欲しいのが組織の長なんだけれど。。。言うまでもない
2004/1/6
ホーライ製薬でも、世の中の趨勢に遅れまいとEDCの導入を検討することになった。

EDCはElectric Data Captureの略で、電子的に治験のデータを集めようという代物だ。
基本的には、治験責任医師や分担医師あるいはCRCが病院にあるPCに治験のデータを入力し、それをインターネットを利用して、製薬会社に送るというもの。

このシステムのメリットは以下のとおりだ。

・医師がデータを入力した時にロジカルチェック(日付等の不整合などを機械的にチェックする)をしてくれる。
・入力したデータをモニターが会社の自分のPCから閲覧でき、疑問点があったらメールで確認できるので出張回数が減る。
・送られてきたデータを、そのまま製薬会社の解析用ソフトに使える。今はCRF(症例報告書)のデータを人間が見ながら入力しているので入力ミスがあるが、EDCの場合、それが避けられる。


もちろん、デメリットもある。

・バグがあったら大変!
・コストが高い!(モニターの人件費よりは安くなり場合もあるが。)
・医師が入力してくれない(これがまたやっかい。)
・病院がセキュリティを気にするので専用回線を入れないとダメなこともある。
・DM(データ入力担当者)の労力は減るが、モニターにはあまりメリットがない。


デーモン山田部長は、ぷかをプロジェクトリーダーに任命し、モニターからは代表としてみっちーKとかずさ2号安全性データにも関わるのでMT、そして統計解析部門のぽちりんプロジェクマネージメント部門のハレ〜をメンバーに任命し「あとはよろしく!」と言って、スポーツ新聞を広げた。


EDCについて、ご意見がある方はゲストブックにご記入くだされ。
2004/1/6
昨年の暮れに提出した治験届が無事に当局の審査を通過したことで、新しいプロトコル(新規の高血圧薬)の治験を開始できることになった。

早速、ヨネヤマに連絡して、治験用に製造してもらった「HORAI-E±2004Z」(治験薬コード)の錠剤を工場から本社に送ってもらった。

この治験薬を使うにあたっても、医薬品(治験薬)製造管理者であるヨネヤマの「出荷許可書」が必要だ。市販の薬と同様に、治験薬においても品質上の問題が無いことを工場の品質管理部門で試験をしてもらい、また治験薬GMPに則って製造されたことが確認されて、初めて使用される。

この治験はPhase−IIIでダブルブラインド試験。今年の6月にキーオープンする予定だ。
これから、各病院と治験の契約を締結する作業があり、また患者さんの登録促進の作戦を練ったり、CRFのDMプロセスを煮詰める必要もあったりと、しばらく治験立ち上げ時の特有の忙しさが待っている。

この「HORAI-E±2004Z」のリーダーにはさらにお願いし、そこにBECKとキャサリン立川がサポートにまわることにした。


この治験で被験者募集の案内を新聞に出すかどうか社内で揉めたが、社長のホーライが「高血圧の治験広告をやるなら是非、『泉谷しげる』を使いたい」と言っていたが、予算の都合上、却下となった。

デーモン山田は「泉谷しげるより、『あやや』のほうが断然いい!」と力説していたが、これは黙殺された。。。

ちなみに「HORAI-E±2004Z」の正式な読み方は「ホーライ、いいかげんにせいよ、おつ」である。
2004/1/8
インフルエンザの治験が、ここに来て急ピッチで進んでいる。やっぱりインフルエンザが流行っているんだね。
この治験の担当は、みっちーKとキャサリン立川の若手モニターが担当している。

この手の治験は季節モノなので、今が勝負だ。出来上がったCRFをSDVしたのちに、どんどん会社に運んでもらう。それをDMにも渡し、データクリーニングをしてもらう。ぽちりんにも絶大なる協力をえて、只今、データの入力と入力のミスを探す作業をしている。

CRFに記載されているデータと解析に使ったデータが違っていたら目もあてられない。

このころになると、決まって真っ赤なお鼻の「ヘンリー川崎」はティッシュを鼻に詰め、CRFの読みあわせをやっている。  ・・・・・・辛そうだな。あそこまでやる必要があるのかな??・・・
2004/1/12
男性機能不全の治験の登録が予定通り終了した。
あとは、最後の患者さんの投与と観察が終わればデータ固定とキーオープンが待っている。

申請は4月末までを目指しているので、これから忙しくなりそうだ。
申請の前に医薬品機構に「申請前相談」をすることが決まっているので、相談日の予約をJOYママにお願いした。

どんな申請概要を書くかは、以前から大枠は出来ていたが、そろそろ本腰をいれないといけない。
JOYママに概要作成チームに入ってもらい戦略的な申請概要を練ってもらおう。


年明け早々に入社した十条には、マラリア原虫由来物質の誘導体でリウマチの治療薬として有望な化合物(開発コード:「HORAI-SAS10804」)のスケールアップ検討プロジェクト(ちゃちゃとヨネヤマたちのチーム)に参加してもらった。ハレ〜が引き続きコーディネートとプロジェクトマネージメントをやってもらう。

なお、「HORAI-SAS10804」の正式な読み方は「ホーライ、さっさとやれよ」である。
2004/1/13
新しいプロトコル(新規の高血圧薬)の治験が開始できることになった。

先日、ヨネヤマに連絡して、治験用に製造してもらった「HORAI-E±2004Z」(治験薬コード)の錠剤を工場から本社に送ってもらったが、今度は、これを組み番に割り付ける作業が必要だ。
治験のデザインは実薬対照のダブルブラインド試験。対照となる他社の錠剤もすでに届いて包装作業は終わっていた。

「HORAI-E±2004Z」と対照薬については、それぞれ薬が入っている実薬と薬が入っていないプラセボの2種類がある。

これをコントローラーに頼んで、ランダムに組み番に割り付ける。

この作業を侮ってはいけない!! 

以前、対照薬群と治験薬群が逆に割り付けられたことが、ヘンリー川崎にはあったのだ。あの時は、一部だけだったから助かったが、聞いた話によると、全部、逆に割り付けられた会社もあるらしい。

どんな作業にも気を抜けないね、ヘンリー川崎さん。・・・「はい。」
2004/1/14
「HORAI-E±2004Z」の実薬群とプラセボ群との間で、見た目や色調などで、実薬とプラセボが区別できないかをコントローラーの先生に確認してもらう。対照薬も同じ様に確認してもらう。(所謂、識別不能性試験だ)

ところが!!

「HORAI-E±2004Z」実薬群とプラセボ群の間に明らかな色調の違いがある
という。
コントローラーに聞くと、実薬群よりもプラセボ群のほうが「くすんだ黄色」だというのだ。
たしかに、この治験薬は有効成分の原末が黄色をしている。プラセボはその有効成分が
入っていない分だけ、色がくすんだのだろうか?

デーモン山田がコントローラーの所に走り寄った。ヘンリー川崎も覗いて見る。

・・・・・・確かに今のままでは、実薬群とプラセボ群と区別がつきそうだ。

どうする?デーモン山田部長? どうする?ヘンリー川崎? どうする〜〜?**ふる〜〜♪
2004/1/15
「どうします、デーモン部長?」
「どうするったってな。。。」
「時間がありませんよ。」
「だよな。」
「でも、実薬とプラセボの識別ができるとなると、ぜ〜〜〜〜たい、ダブルブラインドの試験として成立しませんよね?」
「しないな。」

「ここは、ひとつ製造部門に頑張ってもらうしかありませんね。」
「だな。」
「黄色2号でも、黄色3号でも、黄色202号でもなんでもいいから、着色剤を使って実薬とプラセボの色調を合わせてもらいましょう。」
「それしかないな。ただし『微量』の範囲でな。」
「了解です、部長。じゃ、すぐにヨネヤマと十条に頼んでみます。」
「あぁ、そうしてくれ・・・・アッ!それとな・・・」
「はい、何でしょう?部長?」

「ヨネヤマに伝えておいてくれ、黄色202号でもダメなら『鉄人28号』を使ってもいいぞ、と。」
「・・・・・・夜の町にガオー!夜のハイウェーにガオー!ダダダダダ〜〜〜ンと弾が飛ぶ、か。。。正太郎と署長にも連絡しておきます。」
「頼むわ。」


夜も更けた深夜の街角に北風がサビシク吹いていくのであった。。。
2004/1/18
「HORAI-E±2004Z」(高血圧の治験薬)の割り付け作業をしていたら、実薬とプラセボが区別できることが判明した。そこで、デーモン部長とヘンリー川崎は至急、ヨネヤマと十条に、使える色素を片っ端から使って、実薬とプラセボが区別できないよう、再度、製造を依頼した。(ここまでが、先週のできごとでした。)

ヨネヤマと十条の頑張りのおかげで、わずか2日間で、まったく実薬と区別がつかないプラセボが送られてきた。今度は、コントローラーからも、問題無いと太鼓判を押してもらった。
ホッと胸をなでおろすデーモン山田とヘンリー川崎。

無事に割り付け作業も終わたので、リーダーのさら、サポートのBECK、そしてキャサリン立川 に早速、契約手続きが終わっている治験実施医療機関に搬入してもらうことにした。

この
「HORAI-E±2004Z」(高血圧の治験薬)は、目標症例数が各群150例で、合計300例。投与期間は2ヶ月。6月にはデータを固定して、キーオープンする予定なので、逆算すると、5月初旬までには全症例のCRFをおおかた固定していきたい。そうなると、3月の初旬までに300例を集める。一ヶ月に100例の登録だ。

今回は、高血圧の治験で実績が高い病院で、しかもCRCが常駐のところを選んである。それに、昨年の暮れには、事前に被験者候補をカルテ上でスクリーニングをCRCの方たちにお願いしてあったので、「イケル」とヘンリー川崎は思っている。

被験者の登録はいいとしても、CRFのSDV、回収、データ入力、ロジカルチェック等によるCRFのフィードバックなど等が問題だ。
ここは
ハレ〜とポチリンの協力を得て、CRFのQCフローとタイムマネージメントをお願いしよう。

この「HORAI-E±2004Z」(高血圧の治験薬)は、複写式のCRFを使っており、できあがったところから、SDVをし、回収することになる。
もし、回収後にCRFの訂正等が必要になったら
「DCF(Data Clarification Form)」という、CRFとは違うものを使ってフィードバックをかける。

さ〜〜〜てと、今から、この「ホーライ、いい加減にせーよ、おつ」のSDVマニュアルとSDV用チェックリストの作成でもするかな。

デーモン部長は、連日の新年会で休暇中。
2004/1/19
マラリア原虫由来の「免疫抑制剤」(開発コード)「HORAI-SAS10804」について、ハレ〜から報告が有った。スタート物質から主な工程が28ステップ有ったが、その中でキーとなる中間物質を定量する方法が、なかなか見つけられないとのこと。
ここは、入ってきたばかりだが、LC-MS/MSの権威で分析屋さんのるみ子の酒にもプロジェクトチームに入ってもらおう。

治験に使うだけなら、それほど重要なステップではなかったが、生産スケールをアップした時に、どうしても必要な工程内管理らしい。

分析方法のバリデーションも含めて、引き続き十条、ヨネヤマ、ちゃちゃたちに検討をお願いした。3月には製品標準書や品質管理手順書が欲しいところだ。

ヘンリー川崎は夕べ書き終えたSDVマニュアルとチェックリストを統計解析部門のポチリンに回し、SDV方法とチェック内容を統計解析・DMの立場から検討してもらうことにした。
また、同時に、重篤な有害事象が発生してしまった場合の、情報の社内ルートもMTに確認してもらった。

カッコ亀井には「HORAI-E±2004Z」(高血圧の治験薬)をモニターが医局等でプレゼンするために必要な研修方法を依頼した。


でもって、
このクソ忙しい最中、デーモン山田は行方不明中。。。

こうなったら、フロリスに頼んで人材募集をかけてもらおう。クロース三太も12月まで暇そうだし。
2004/1/20
男性機能不全の治験の最後の患者さんの投与後観察が終了。

あとは、DCFとして出されたCRF上の疑問点、不整合と思われるところを各医師にフィードバックし、CRFを固定するだけとなった。

ここまで来ると時間との勝負になる。

ヘンリー川崎とキャサリン立川は、電車の時刻表や飛行機の時刻表などを睨みながら、いかに効率的に各病院を回るか考える。

まるで西村京太郎の『時刻表サスペンス』に出てくる「十津川警部」みたいだ。

ヘンリー川崎は、明日は、高血圧の治験を説明に金沢のほうへ出張が入っていたが、そこから夜行で秋田の病院へ朝いちでアポをとってある先生にCRFを訂正してもらう予定だ。

この頃から、各モニターの机の上に「滋養強壮剤」が並び始める。
もちろん、自社製品だろうと他社製品だろうとも構わずに。。。。
2004/1/21
秋田の「権三郎病院」の治験責任医師(ベントレー南先生)に会ったヘンリー川崎は、早速、ベントレー南先生にDCFに打ち出されたCRFの疑問点を聞いた。

ところが!! この治験で使われた患者日誌「性交日誌」が無い!
そうなると、治験に参加されたこの男性の勃起時間が分からないではないか!

原資料が無いのだ!!


「先生、どうしましょう?」
「う〜〜ん、確かこの患者さんから『性交日誌』は預かっていたんだけれどな・・・・・・。返しちゃったのかな・・・・・・。」
「患者さん自身が書くことになっている『性交日誌』が無いと、勃起していた時間が不明になってしまうんですが・・・・・・。」
「奥さんに聞いてもダメだろうしな。どうしょうか?」
「男性機能不全は、男性じゃないと分からないでしょうからね。」
「そうか?」
「ん?」
「う〜〜〜〜ん。」
「う〜〜〜〜ん。」

雪降る秋田の「権三郎病院」の一室でこんな会話が朝から交わされていようとは、つゆ知らない東京オフィスのキャサリン立川であった。
2004/1/22
「原資料」が無い! こんな非常事態にどうすればいいんだ? と考えている様子も無い、ヘンリー川崎と治験責任医師のベントレー南医師。

「う〜〜〜ん」
「う〜〜〜ん」
「・・・・・・先生、唸っていてもしょうがありません。」
「んだな。」
「やっぱり、直接、患者さんに問い合わせしてみてくださいませんか?」
「それが早いか?」
「はい。取り合えず、電話で聞いて、もし「性交日誌」が手元にあるようなら、電話で問題の日の勃起時間を聞いて頂いて、日誌のほうは後日、病院まで持参してもらうというのは、どうですか?」
「OK。ちょっと待っていて、電話してみる。」

ヘンリー川崎は医局を出て廊下で待っていた。
廊下には、他社の治験の「被験者募集ポスター」が貼ってあった。 ヘンリー川崎が早速、重要なポイントを手帳に書き写したのは言うまでもない。

「お〜〜い、ヘンリーくん。分かったよ、やっぱり患者さんが日誌を持っていた。」
「そうですか、それはよかった。で、問題の日はどうでした?」
「うん。十分すぎるほど勃起して、夫婦共々満足したと言っていた。」
「では、その旨を、このDCFに書いて頂いて、先生のサインをもらえますか。」

やれやれ、ホッと一安心のヘンリー川崎だったが、そこに追い討ちをかけるように、看護師さんが言った。

「ヘンリーさんや、大雪で飛行機も新幹線も止まっているみたいだよ。」
・・・・・・。
データだけは病院のファックスを借りて、会社に送っておこうね、ヘンリー川崎さん。

「おまえは帰ってこなくてもいいから、データだけ送れ!」というのは、モニターには良くある話さ。。。
2004/1/25
原資料が無くなったと思っても、決して諦めずに、トコトン追いかけることの大切さを、雪の山形から戻ってきたヘンリー川崎はキャサリン立川に教えていた。

「医師に『原資料がこれこれの理由で、今、病院にはありません。』なんていうコメントをCRFに書いてもらう前に、とにかく当たれるとこは当たることが必要だ。」
「ハ〜〜イ、分かりました、ヘンリーさん。それよりも、今日はみんなで『かに鍋』にしようと言っていますよ。」
「お!そうなの?」

ホーライ社長も駆けつけた。
「ちょっと遅くなったが、MTさんが北海道から買ってきてくれた「かに」で「かに鍋」でも、やるべ。 」

管理人さんや監査役の人たちも交えて、それに普段はなかなか交流のできない製造部門のヨネヤマさん、十条さん、それに研究所のちゃちゃさん、るみの子の酒さんも呼んで、全社で「かに鍋」だ〜〜〜!!

うまい! 

さすがは北海道の「かに」だ。

ホーライ社長は実家のある新潟から「笹だんご」と「柿の種」を送ってきたと言って、つまみに出してくれた。(「笹団子」と「柿の種」が果たして「かに鍋」に合うかどうかは、みんなの意見を集めて、「有意差検定」してみないとわからない。)

こういった時には、何故か鼻がきくデーモン部長が、いつのまにか鍋を囲んでいた。

「忙中、閑あり(ぼうちゅう、かんあり)。僕らは製薬会社の社員であると同時に、普通の人間だよな・・・・」
デーモン部長は「小人、閑居して悪事をなす(しょうじん、かんきょして、あくじをなす)」じゃありませんか?とつっこむキャサリン立川。

それを無視して、ホーライ社長は言った。

「お〜〜い、みなの衆、新しい『抗インフルエンザ薬』の名前を募集しているので、ガンガン、ゲストブック(訪問記録)に投稿しておくれ。それと、そろそろ『社歌』なんぞも作ったら、どうだべ?という話もある。
最近ではある解体屋さんの『社歌』がオリコンのヒットチャートにも入ったと話題になっているし、一発当たれば、会社も潤うぞ!!これも、ドンドン、ゲストブックに書いてくれ。」

・・・・・・誰も返事をしやしない。

どうでもいいけれど、「かに料理」になると、みんな食べることに夢中になって、無口になるよね
2004/1/26
「HORAI-E±2004Z」(高血圧の治験薬)は順調に病院との契約手続きも進んでおり、早くも15人の患者さんが治験に参加された。

この治験では医師やCRCがこの治験に参加できそうな患者さんから同意をもらうと、まず「症例登録票」を「登録センター」に送るようになっている。

「症例登録票」には、プロトコルで規定されている「選択基準」と「除外基準」が書かれていて、それらに該当するかどうかを医師やCRCが患者さんの既往歴や合併症等を調べ、チェックボックスにレ点を入れる。

それを「登録センター」にファックスする。すると、「登録センター」で治験に参加可能症例かどうかを、その「登録票」を見て確認し、問題が無いと連絡票に「治験薬の割り付け番号」を書いて、病院と製薬会社にファックスで送ってくれる。

病院では、その連絡票を見て、指定された番号の治験薬を患者さんに渡す。
会社でも、患者さんがどこの病院で何人参加したかが、分かる仕組みになっている。

・・・・・・ところが!! この「症例登録票」がまた当てにならないのだ。

もちろん、きっちりと書いてくれる先生がほとんどだが、いい加減に書く先生もいる。
それに、治験の初期段階では、まだプロトコルの理解不足で間違った症例を登録することもある。

そこで、ヘンリー川崎とさらは各病院の「最初の登録患者さん」については「症例登録票」どおり間違いなく、治験に参加していい患者さんであるかどうかを、登録後速やかにSDVで確認することにしている。

もし、ここで先生が勘違いしていたら、その勘違いを訂正することができ、その後の症例は救われるが、このSDVを怠ると、その後も何例も間違った症例がエントリーされてしまう。
SDVを早くやればやるほど、そのリスクが減るのだ。

早速、BECKとキャサリン立川が症例を入れ始めた病院へSDVに行くことになった。
2004/1/27
ある製薬会社が発売しているリウマチの薬を服用した3500人以上の調査のうち、5人が間質性肺炎で死亡されていることが分かった。

原因は調査中とのことだが、リウマチの薬はもともと「免疫」を押える働きがある。
免疫を押えるということは、それだけ感染症等にかかりやすくなるわけだ。

当社でも研究が進んでいるマラリア原虫由来の「免疫抑制剤」(開発コード)「HORAI-SAS10804」もリウマチ薬として開発する予定。

そこで、動物実験などに問題が無いか研究所長のちゃちゃに非臨床試験、特に間質性肺炎に対する実験を見直してもらうことにした。

また、今回の他社の安全性情報収集をMTに頼んだ

今後の「HORAI-SAS10804」について開発戦略としてリウマチ以外のオプションの検討をハレ〜とJOYママにお願いした。

息つく暇も無い製薬業界だった。

そう言えば、また外資系で合併の噂があったが、ゴルフの練習に余念の無いデーモン山田はスポーツ新聞を読んで、パットの練習をしていた。 

蹴ったろうか!
2004/1/28
SDVからキャサリン立川とBECKが戻ってきた。 

予想通り、登録基準違反が見つかった。
二人は、その医師(CRC)に対しては再度プロトコルの説明をし、再発防止策を伝えてきたらしい。

ヘンリー川崎「二人とも、おつかれさん!」

BECK「やっぱり登録違反がありましたよ。上限年齢違反でしたので、もう一度年齢早見表の説明をしてきました。」

キャサリン立川「こちらは、血圧測定3回実施を1回しかしてなくて、それで登録していました。ワークシートに血圧を3回記載する欄を設けて、全施設に配布しましょう!」

ヘンリー川崎「了解。二人とも、モニタリング報告書にプロトコル逸脱の事実とその再発防止策を講じたことを、しっかり書いておけよ。それと、『違反事例集と予防策』を作って、イントラにアップしておいて。他の施設でも同じ違反が出る可能性があるから、みんなと情報を共有しておきたいんだ。」

二人「ラジャー!」

さら「あとね、『併用禁止薬』と『併用制限薬』の一覧表だけどさ、今までは「薬効群別」に書いたのを使っていたでしょ? それに追加してさ「五十音順」に並べ直したものをみっちーKちゃんとカッコ亀井くんが作ってくれたから、これも全施設に配布して。もちろん、薬剤部にもね。」

BECK「お!これはいっすねー。このほうが便利だから、併用禁止薬違反もグッと少なくなりそうですね。」

さら「ホント、そうよね。みっちーKちゃんとカッコ亀井くんのアイディアはいつもいいわ。」

BECK「そっすよね〜。よその会社のモニターに聞いたんですけど、せっかくワークシートを作ったのに、全然活用しないで、おかげで、SDVが大変だったらしっすよ。」

全員「あはは!」


(閑話休題)

社員の所属部署と名前を確認しながら、ストーリーを書くホーライ社長であった。。。^^;
2004/1/29
男性機能不全のCRFが全て固定され、ポチリンにより「データベースの固定」が宣言された

「症例検討会」も今では、アッと言う間に済む。

この「症例検討会」も、昔はよく揉めたもんだ。事前に治験総括医師と幹事のエライ先生の間をモニター等が回って根回しをしておかないと、当日、とんでもないことを言い出す医師が居たりして大変な目にあった・・・と、デーモン山田が愚痴っていた。。

今では、事前にどのような症例については安全性だけ採用するのか等を明確にしてあるし、プロトコル逸脱はほとんど解析から除外する。
そのかわり、FASやらPPSをしっかりと総括報告書で考察しないといけない。

(「FASやらPPS」・・・この言葉が分からない人は、ここをクリック→「「ICH E9 臨床試験のための統計的原則」について(PDFファイル)」(ここの用語集を参照))

さて、あとはキーオープンを待つのみ。

かずさ2号「ヘンリー川崎さん、キーオープンはやっぱり大安吉日がいいでしょうか?(笑)」

ヘンリー川崎「そこは抜かりなく、デーモン山田が日程を調整した。しかも風水まで考えた部屋になっているらしい。」

かずさ2号「あの・・・・うちって、先端科学を使った製薬会社なんですよね?」

ヘンリー川崎「信じるものは救われる」

キーオープンの結果や如何に? (次週に続く)

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