注意:架空の会社の、架空の治験薬の話です。
ホーライ製薬 架空の「二日酔いの薬」のプロトコール 開発番号:HORAI−2DAYS401 Ver.2:改訂日:2004/8/11 改訂個所:以下の項目を追加した。 ・うわさの原料 ・製造上の注意 ・本治験薬の開発意義 ・安定性 |
「治験薬の概略」 メカニズムはアセトアルデヒド脱水酵素(ALDH)の活性化です。 ALDHにはアセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。 日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか欠けています。 このタイプはアルコール分解産物である有害なアセトアルデヒドを速やかに分解できないため、少量のアルコールでも悪酔いしやすい、お酒に「弱い」体質です。 そこで、この「ALDH2」を活性化させるという仕掛けになっております。 「モノ」は、たぶん、タンパク製剤と低分子化合物の中間あたりがよろしいかと。で、経口投与です。 なお、一部に「恋人の甘い声を純水に聞かせてあげる。その独特の波動をもった水もしくは氷」が原料という噂も有る。 「製造上の注意」 ・古女房の声は使用不可 「本治験薬の開発意義」 ・ある意味オーダーメイド医療 「本治験薬の安定性」 ・恋人関係に依存する 「選択基準」(登録できる条件) 1.直近、2ヶ月で最低3回は二日酔いで午前半休取った人 2.同意取得時、満20歳以上であること(設定根拠:法律上、飲酒は20歳からなので) 3.肝機能を示す臨床検査値が正常範囲上限の2倍以内であること 4.三度の飯より、酒が好きな人 「除外基準」(登録できない人の条件) 1.同意説明文書を説明する時に、しらふでいられない人 2.治験中に避妊をやりそうもない人 3.下戸 「対象疾患」 頭痛、悪心・嘔吐、耳鳴りを伴う二日酔い ただし、以下の全てを満たすこと 1.飲酒後6時間以上経過後の、血中アルコール濃度が 0.03%以上、あるいは呼気中のアルコール濃度が 0.15mg/L以上 2.会社を休みたくなるような頭痛 3.上司の顔を見たくないような悪心、 または想像しただけでの嘔吐 4.業務上の電話には出られないような耳鳴り 「主要評価項目」(薬が効いているかどうかの判断材料です) 1.治験期間内(2ヶ月)で嘘を言って午前半休を取った回数 2.悪心頻度(評価基準は以下のとおり) (1)上司の顔を見ると毎回悪心がある (2)上司の顔を見ると2回に1回は悪心がある (3)上司の顔を見ると5回に1回は悪心がある (4)上司の顔を見ると通常でも悪心がある 「副次評価項目」(直接的ではないけれど、薬の効果を判断する材料) 1.宴会回数(評価基準は以下のとおり) (1)週に1回が3回に増えた (2)週に1回が2回に増えた (3)毎日行っている 2.業務上の電話に出る頻度(評価基準は以下のとおり) (1)5回かかってきた電話、全てに出ない (2)5回のうち2回は出る (3)5回のうち3回以上出る (4)電話に出ても「担当部署に回します」と言って、全て総務に回す。 判定基準 「日本臨床二日酔い学会」が提唱している「飲酒度数」「二日酔い度」のかけあわせ評価(Geroppa Ver.2.0) ・「飲酒度基準」:アルコール度数×飲酒量×酒類係数 ・「酒類係数」:蒸留酒(焼酎、ウイスキー等)=1、醸造酒(日本酒、ワイン、ビール等)=1.3 ・「二日酔い度」は上記の評価項目をスコア化したもの (ただし、民族差(ALDH2活性)が大きすぎるためICH-6大阪では、日本とロシアが対立してStep2化が見送られた経緯あり) 併用禁止薬 ・「迎え酒」 |